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2016/10/21NEW

「AI時代」に採用担当者がすべきこと

曽和 利光(そわ・としみつ)
1995年(株)リクルートに新卒入社 、人事部配属。
以降、一貫して人事関連業務に従事。採用・教育・組織開発などの人事実務や、クライアント企業への組織人事コンサルティングを担当。リクルート退社後、インターネット生保、不動産デベロッパーの2社の人事部門責任者を経て、2011年10月、(株)人材研究所を設立。現在は、人事や採用に関するコンサルティングとアウトソーシングの事業を展開中。

イントロダクション

 

こんにちは。組織人事コンサルタントの曽和利光です。

今回は、Googleやトヨタなどがその研究に力を入れはじめている「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」が、採用にどのような影響をもたらすのかについて考えてみたいと思います。

私はAIの専門家ではないので誤認もあるかもしれませんが、私なりの意見を記していきます。

まず、釈迦に説法かもしれませんが、「なぜ今AIなのか」を振り返ってみましょう。

最初にAIが注目された1980年代半ば、コンピューティングパワーが今には到底及ばないほど低いものであったため、当時のAIは、人間が事前にプログラミングしたアルゴリズムでしかモノを考えられない代物でした。

それでも、対応パターンが決まっている(既に人間が発見している)ことについては十分有益だったのです。しかし、人間ですら正解を知らない領域については当然、事前にプログラミングできるはずもありませんでした。結果、適応領域は限定的で、「人間が分かっていることを代わりにやってくれる」レベルに過ぎなかったために、AIは死語と化してしまったのではないでしょうか。

しかし今、AIは派手に復活しました。

コンピューティングパワーの大発展に伴い、多くのデータから反復的に学習し、そこに潜むパターンを見出してモデル構築の自動化を行う「機械学習」のような技術が発達したことで、人間が正解を知らない領域についても、コンピュータ自身がアルゴリズムなどを発見してくれるようになりました。

音声の認識・画像の特定・意味の理解といった、元のデータが曖昧であるために人間にしか対応できないとされていた領域に関しても、センサーなどによる可視化の進展により、AIの対象となりました。そして、チェスや自動車の運転・秘書サービス・翻訳など、AIはあらゆる領域で活躍するようになり、脚光を浴びることとなりました。さらに、それこそ今までは「人間にしか分からない」といわれていた採用領域に対しても、AIの技術が適用されようとしています。

AIの良し悪し以前の問題が?

今のところ、採用プロセスにおいてAIは「評価」の部分で使われることが想定されているようです。履歴書・職務経歴書・エントリーシート・適性検査・面接で得られる情報のデータを分析し、人間に代わって人物評価をさせるというわけです。

結論から申し上げますと、AIが採用の世界に導入されることに、私は賛成です。その理由は、そもそもAI以前の問題として、人間が行う「面接」という選考方法は、適性検査のデータによる評価などと比較しても大変曖昧で妥当性が低いことが、さまざまな研究において報告されているからです。

※参考

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

今城志保「なぜ採用面接時の評価観点は面接者間で異なるのか ―面接者の職務経験の違いによる影響―」

https://www.recruit-ms.co.jp/research/thesis/pdf/2010jgda.pdf

「面接者の価値観が面接評価に及ぼす影響」

https://www.recruit-ms.co.jp/research/essay/pdf/2007jaas02.pdf

 

実際、私が以前所属していた企業で、採用した人材の選考時の評価と数年後の業績評価(人事考課点等)の相関を分析したのですが、残念なことに面接評価はほとんど相関がなく、適性検査だけがある尺度と業績評価の間に強い相関を表しました。同僚からは「もう面接なんてしない方がいいのではないか」という声まで出たほどです。

面接選考評価の妥当性が低い理由はいくつも考えられます。

人間には自らの認識や思考を歪ませるようなバイアス(偏り)がいくつもあります。例えば、自分と似ている人物に対して好感を抱くような「類似性効果」や、突出した利点があるとそれに引きずられて全てのことがよくみえてしまう「ハロー(後光)効果」とよばれるバイアスなどです。こうしたバイアスは無意識に生じるため、避けるのは至難の業です。そのため、何の工夫もなければ、面接の精度が低くなってしまうのはある意味当然といえるでしょう。

このことに気づいている企業もたくさん現れています。

あるイベントで同席した某外資系企業の採用責任者から聞いた話ですが、その企業はITエンジニアの採用時に、面接を実施せず、プログラミングのスキルテストとパーソナリティーテストだけを実施して内定を出すそうです。実績を伺うと、面接を導入していた時よりも、定着率と業績ともに、明らかによいそうです。

また、ある広告系の企業でも、できるだけ面接以外の手法(適性検査や能力検査、グループワークなどをもとにした事実による選考)で採用選考を行えないかを検討し、現在試験的に導入しているようですが、成果は上々だそうです。

私自身、心情としては「それでも人間にしか評価できないこともある」といいたいところですが、これらの事実も、ある程度認めざるを得ないと思っています。少なくとも、構造化面接やコンピテンシー面接等、精度を高める工夫を一切していない担当者による面接評価は精度の低いものにならざるを得ないでしょう。

 

AI時代の採用担当者はどうあるべきか

 

では、AI時代に、これからの採用担当者には何が求められるのでしょうか。

将来的には人型コンピュータが面接を自動的に行って内定に至るということもあるかもしれませんが、現状ではまだまだ、そのようなレベルにありません。

前章でご紹介した事例はAIというより、単に「できるだけ客観的なデータを統計的に分析して選考を行うことで、面接という、人間による曖昧な選考をカバーする」ということでしたが、そのレベルもまだ、多くの企業では実践されていないというのが実情ではないでしょうか。そもそもAI技術の活用以前に、せっかく取得したさまざまなデータをきちんと分析していないケースが多いように思います。

例えば、新卒採用に適性検査を導入している企業はかなり多いと思います。自分で自分の性格などについて回答するような適性検査は完全に客観的なデータとはいえませんが、パーソナリティという曖昧なものを可視化および分析できるようにするものとしては、意味のあるものだと思います。

しかしこうしたデータの活用に関しては、面接の参考としたり、全体の平均値を取ったりしているだけという企業が多いように感じます。これ以上の分析を行っていないのだとすれば、実にもったいないことです。

平均を取るにしても、上位評価者と下位評価者を分けて平均を取ることで、面接者が何を基準に評価しているのかが分かります(これは、自社に適した人材かどうかという分析ではありません)。

あるいは、クラスター分析(似た者同士を集めて群にする分析)をした後で、クラスター毎に平均値を取るだけでも、自社の母集団や内定者がどんなタイプに分かれるのかが可視化できます。これらのことはこれまでも「感覚的には」分かっていたことかもしれませんが、統計処理により、より事実として明確化されるでしょう。

以上のことから、AI時代前夜そしてAI時代において採用担当者が身につけるべきは、このようなデータ分析、統計処理のスキルだと考えています。

最近ではExcelなどでも容易に統計処理ができるようになっていますので、自社の採用データをさまざまな側面で分析してみることをおすすめします。

一方、このようなデータ分析力を身につけることと同時に、その限界を知っておくことも必要ではないかと思っています。

自社におけるハイパフォーマーのパーソナリティを分析して何らかの傾向を見出したとしても、それは結局「今」、もっといえば「過去」の事実に過ぎません。「未来」においても同じようなタイプの人材が活躍するとは限らないのです。

ややもすると、データ分析は「今」を固定化してしまう傾向があります。環境の変化が少ない状況や近い将来などについては予測できるかもしれませんが、大きな環境の変化が起これば、結果は容易に変わってしまうかもしれません。

結局、現段階では過去の分析だけではなく、人間の発想や意思が、未来を考える上ではどうしても必要になってくると思います(ただし、分析した上での発想や意思と、単なる思いつきは異なります)。

 

やがて、環境の変化までを分析対象として仮説やアルゴリズムを修正していく「人事AI」が誕生すれば、それは素晴らしいことです。

そういう時代が来れば、採用担当者の仕事から「評価」は消えて、入社してもらうための「動機付け」だけになっていくかもしれません。それとも、それすらAIの自動会話によってなされるような時代が来てしまうのでしょうか……。皆さんは、どう思われますか?

 

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