ナビサイトの初動が芳しくない。要因分析の方法は?振り返る/分析・改善

Q

新卒採用のためにナビサイトをオープンしましたが、初動が芳しくありません。どのように要因分析すればよろしいでしょうか?


当社では3月1日からナビサイトや自社採用サイトをオープンさせたのですが、前年と比較すると、ページへのアクセス数や説明会への応募状況が芳しくない状況です。サイトの内容自体に大きな変更は加えておりませんし、少々驚いています。

早めに何かしらの手を打たなくてはとは思っているものの、要因が掴めず、なかなか改善策も打ち出すことができていません。

こうした状況での要因分析の方法があれば、ご教示いただきたいです。

( ITサービス業/従業員規模 500~1000人未満/採用業務経験 3~5年 )

Q
プレエントリーの数も重要ですが、質はいかがでしょうか?

新卒採用は毎年環境が異なり、採用担当者の皆さんにおかれましては、日々気が気でない状況ではないかと思います。

しかも、ここ数年は毎年求人倍率が上がって採用難になってきているため、昨年と同様にしていれば、すべての数字が下がるのは当然です。したがって「前年と大きな変更をしていない」というのが要因といえば要因でしょう。

ただ、だからといって初動、つまりプレエントリー数や説明会参加者数の悪化を気にしすぎる必要があるかどうかは、また別問題。まずは本当に「悪い」のかどうかをきちんと見定める必要があります。そうでないと、本来は必要のない手を打ってしまい、コストも工数も無駄遣いしてしまう可能性があります。

貴社のターゲットがわからないため一般論で失礼しますが、まず見るべきは、プレエントリー数だけではなく、重要ターゲットがどれぐらいいるかです。

例えば前年のプレエントリー者の中で、ターゲット校の割合がどのぐらいで、今年はそれが増えているのか減っているのか。学部別の文理比など、自社ターゲットの 「含有率」 を調べてみるのもよいかもしれません。

もしそこに問題がなければ、実は濃い母集団が形成されているということになります。逆に特定のターゲットのプレエントリーに問題があるのであれば、採用広報のコンテンツや集客チャネル (合同企業説明会や人材紹介等) を、重要ターゲットが多く集まるものに変更する必要があるかもしれません。

次に見るべきは、基本ではありますが「歩留まり」、つまりプレエントリー者がその後の選考プロセスにどれぐらいの割合で進むのか・離脱するのかです。

ここ数年徐々に下降傾向にありますが、プレエントリー者にリアル接触(会社説明会や選考会など)できるのは、3割前後が平均的です。

これは企業の人気度とは関係ありません。もし、1割~2割程度と低いのであれば、これはチャンスです。向上する余地があり、改善のしがいがあるからです(逆に、4割以上リアル接触できているのであれば、これはもうプレエントリー者を増やすしかありません)。

リアル接触率を増やすのは、プレエントリー数を増やすよりも簡単で費用もかかりません。

新卒採用は一年に一回りしかできませんので、初動を気にして早めに手を打つのはとても重要なことです。しかし、前工程(プレエントリーや説明会参加の人数)に注力するのか、後工程(選考会への参加や合格率・辞退率)に注力するのかを間違ってしまっては効果的な対策とはなりません。

プレエントリー者が少なくても濃い母集団が形成できているのであれば、せっかく来てくれている今の学生のフォローに力を注ぐべきです。そうすれば、実は最も効率的な採用が実現できるかもしれません。
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