内定式の目的と実施内容動機づける/内定フォロー

内定式は、儀式的な意味合いだけでなく、目的を持って実施することが大切です。目的を持たずに行えば、学生のモチベーションを下げ、逆効果になる可能性もあります。では、内定式で得られる効果とはどのようなものがあるのでしょうか。内定式の目的、内定式から得られる効果、実施内容を紹介します。

実施目的

内定式の実施には、多くの費用や人的パワーがかかるので、学生に不満を与えないためにも、内定式の目的を明確にしてから、プログラムの内容を考えましょう。

(1)入社意識を高める
形式的ではありますが、「内定通知書」を交付し、それと引き換えに「入社承諾書」を提出させ、最終的に入社する意思を確認することが目的です。また、学生にとっても、社長や役員が同席する内定式に出席することで、内定を得た実感を持てると同時に、正式に入社の意思を示す機会となります。

(2)企業理解を深める
トップから、経営理念やビジョンを聞くことにより、企業への理解を深めることが目的です。また、励ましの言葉を聞くことにより、自分への期待を感じられ、モチベーションを高める効果も期待できます。

(3)企業と学生、内定者同士のコミュニケーションを図る
内定者と会社側の人が直接顔を合わせる機会なので、入社までにしてほしいことや、企業のメッセージを伝えるには非常に効果的な場として活用できます。また、役員や社員への内定者のお披露目だけでなく、内定者相互のコミュニケーションを促進でき、有効です。

(4)内定ブルー<不安>を払拭する
学生は内定が決まった後も、翌年の入社に対して多くの不安を抱いています。いわゆる「内定ブルー」状態です。採用活動の早期化で、内定から入社までの期間が長期化するに伴い、内定後に「本当にこの企業でよいのだろうか? 社員として勤まるのだろうか?」と不安になり、精神的に揺らいでしまう学生が増えています。その不安を払拭することが目的です。

(5)内定フォローの一環として
上記(4)とも関連しますが、入社までの期間が長期化してきているため、その間の内定フォローの一環として、内定者同士の交流やモチベーションを高める場として、内定式を活用する企業が増えています。また、卒業までだらけないよう引き締め策として、実務的な研修や講演、講義を行うことも有効です。

(6)適性の確認
直接的なコミュニケーションを取ることにより、配属などの参考にすることが目的です。内定式で面談や研修、語学テストや適性検査を行うこともあります。

内定式から得られる学生への効果

では、内定式は学生にどのような効果を与えるのでしょうか? 学生の声を紹介します。

(1)内定したという「実感」がわいた
  • 「他の内定者と初めて顔を合わせ、ようやく内定したという安心感が持てた」
  • 「内定式に出たことで、この会社に入ったという実感がわいた」
  • 「今日のことを時々思い出して、入社までの心構えを大切にしようと思った」

学生にとって、内定を得て以降、会社側からは形式的な連絡しかなく、内定者同士の交流や会社訪問などがなければ、次第に内定をもらったという実感や喜びが薄れてしまいます。また、会社の人や内定者と顔を合わせないまま入社まで過ごすのは不安なものです。そうした学生にとって、内定式は、その会社に入る「実感」や「重み」を感じられるよい機会となります。

(2)同期との「連帯感」が持てた

  • 「同期の連帯意識が持てた」
  • 「内定者との交流が深められたことで、入社後の期待が高まった」
  • 「内定者間でいろいろと情報交換ができ、その後もメールで連絡し合っている」

内定者の横のつながりを強くすることによって、お互いのモチベーション向上に役立ちます。

(3)会社と仕事への「理解」「自信」が深まった

  • 「今後、自分がどういう人たちと仕事をしていくのかを知ることができた」
  • 「自分の将来の方向性がはっきりしてきた」
  • 「配属の希望を聞かれたことにより、働くイメージが固まってきた」
  • 「懇親会で、役員をはじめさまざまな人の話を聞けたことがよかった」

内定式も含め、面談や懇親会、職場訪問などから学生は、会社と仕事に対する理解や共感を深め、「これならやっていけそうだ」、「入社後はこう頑張りたい」というような、自信や向上心を抱きます。こうした入社後に対する動機形成効果は、新入社員の定着を図るという意味からも大切になります。

一般的なプログラム例

内定式に盛り込む要素としては、一般的に以下のようなものが挙げられます。また、「一方的な会社説明ばかりで飽きてしまった」「時間ばかりが長く、内容が物足りなかった」「役員との食事は会話が少なくて居心地が悪かった」といった学生からの不満の声も少なくありません。そのような印象を与えないためにも、プログラムには内定者が溶け込めるような工夫をしましょう。

内定式に盛り込む内容

  • 内定通知書の授与
  • 人事部長などの講話
  • 社長・役員などの講話
  • 内定者懇談会(食事会)
  • レクリエーション
  • 社員との交流
  • 会社の施設見学
  • 事業内容などの説明
  • 内定者面談
  • 内定者研修
  • 語学テスト
  • 適性検査
 
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