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離職率を下げるために説明会の段階からできる対策はありますか?集める/広報する
離職率を下げるために説明会の段階からできる対策はありますか?
弊社では毎年説明会を開催しており、ほぼ満員に近い状態で集客はできています。対して、ここ数年現場の離職率が上がっており、良い手立てがないか悩んでいます。
説明会の段階から打てるような、よい対策はありますか?
( 製造業/従業員規模 500~1000人未満/採用業務経験 1~3年 )
RJPや動機づけ施策などが効果的ですが、実施時期は慎重に
早期離職の理由として、労働時間や休日に関する不満、人間関係、仕事が自分に合わない、ノルマや責任が重すぎる、といったことを挙げる人が多いことがわかっています。(*)
採用活動における早期離職への対策としては、RJPが有名です。RJPとは、Realistic Job Previewの略で、現場のリアルな情報を事前に開示することを意味します。
この考え方に沿って、入社後に大きなイメージのギャップが生じないよう、良いところも悪いところも率直に情報提供する採用方針を掲げている企業も多いと思います。
そして、いま最もRJPに適した場は、長期就労体験型のインターンシップでしょう。
現場のリアルな様子に触れる、最も有効な場だと言えます。
まだまだ採用広報の先駆け的な意味合いが強いインターンシップですが、今後はそうしたマッチング面の強化を意図した設計がより増えていくことと思います。
一方で、(インターンシップではなく)企業説明会におけるRJPの実施について、私は注意が必要だと考えています。
基本的に、説明会は自社を認知し、魅力を知ってもらうことに重きを置く場です。
RJPの不用意な強化は、説明会後の選考参加者や、内定受諾者を減少させてしまう可能性もあります。
むしろ、RJPは内定以降から入社までの期間に強化したほうが高い効果が得られると私は思います。
入社までの期間に社員と接する時間をなるべく多く与え、社員を通じて実際の働き方や人間関係の様子を伝え、可能であればそれらを体験する機会も与えるとよいと思います。
実際、説明会でRJPを実践したとしても、それらを汲み取り、良いところも悪いところも十分に腹落ちして自社を最後に選んでくれるかというと、学生の就職活動にそこまで期待することは難しいからです。
学生はまだ働いたことがないので、どんなに説明してもリアリティに満ちた想像をすることができません。売り手市場とはいえ1、2社程度の内定企業数です。(悪いところを見ずに)良いところを重視して入社先を選んだとしても、それ自体否定されることでもありません。
そうであれば、会社を選択する時のタイミングではなく、会社を決めた後、入社までの長い時間を使って、入社後の労働環境にゆっくりと慣れさせることを検討したほうが、確実な効果を期待することができると思います。
さらに、その時期であればRJPの他にもいくつかの観点から早期離職を防ぐ施策を検討することが可能です。ちなみに、その際に基本とするのは、「動機付け」の考え方です。
動機付けには、外発的なものと内発的なものがあることはご存じだと思います。外発的なものの代表は報酬ですが、人事制度に関わることなのでここではいったん割愛します。
内発的動機付けは、ここでは「成長実感」と考えるとよいと思います。
入社後2、3年までの間は、能力の不足にばかり目が行きがちです。当然成長もしているのですが、当事者にとって可視化されるのは不足面ばかりで、どうにもバランスが悪い時期が続きます。
つまり、若手社員は成長の真っ只中にいるのに、それを感じることが難しいと言えます。
それは「報酬は高くないのに忙しく、ここに居ても意味がない」という意識をもたらしがちです。
そのような時に、「ここに居る意味」をもたらすのが「自己の成長」です。
成長実感を持ち続けられれば、「報酬は高くないが、自分は成長できている」つまり、「この会社に居ることには意味がある」と思えるのです。
成長を伝える方法は、定期的な上司やメンターとの面談が一般的だと思いますが、メンター制度は応用すれば、内定者にも実施できます。
学生生活に目標を作らせ、メンターへの報告やフィードバックの仕組みをあてがえば、内定者個々人にも成長実感をもたらすことが可能となり、内定辞退の防止効果も望めます。
またこの他にも、親和的な動機付けの考え方を利用する方法もあります。
これは、親しい仲間と一緒に居たい、という気持ちを利用するものです。こちらも説明会のタイミングよりも、内定者や新入社員に向けた施策として検討しやすいと言えます。
やり方は、内定者や新入社員を数名ずつグループ化し、共同で課題に取り組ませたり、ゲーム的に競わせるといったもので、仲間意識を強める効果があります。
例えば、内定時から入社時まで、長期でグループ活動をさせれば、誰かがドロップアウトしそうになっても、他の内定者がフォローするといった効果も期待することができます。
以上、いくつかの観点から、早期離職の防止策についてお話ししてきました。
早期離職に関しては、採用以外に、育成や制度設計、現場のマネジメントなど様々な課題が関係するためすぐに成果につなげることはなかなか難しいと思いますが、一歩ずつ前進していくことが重要だと思います。この回答に少しでもヒントがあれば幸いです。
*2016年労働政策研究・研修機構調査による
早期離職の理由として、労働時間や休日に関する不満、人間関係、仕事が自分に合わない、ノルマや責任が重すぎる、といったことを挙げる人が多いことがわかっています。(*)
採用活動における早期離職への対策としては、RJPが有名です。RJPとは、Realistic Job Previewの略で、現場のリアルな情報を事前に開示することを意味します。
この考え方に沿って、入社後に大きなイメージのギャップが生じないよう、良いところも悪いところも率直に情報提供する採用方針を掲げている企業も多いと思います。
そして、いま最もRJPに適した場は、長期就労体験型のインターンシップでしょう。
現場のリアルな様子に触れる、最も有効な場だと言えます。
まだまだ採用広報の先駆け的な意味合いが強いインターンシップですが、今後はそうしたマッチング面の強化を意図した設計がより増えていくことと思います。
一方で、(インターンシップではなく)企業説明会におけるRJPの実施について、私は注意が必要だと考えています。
基本的に、説明会は自社を認知し、魅力を知ってもらうことに重きを置く場です。
RJPの不用意な強化は、説明会後の選考参加者や、内定受諾者を減少させてしまう可能性もあります。
むしろ、RJPは内定以降から入社までの期間に強化したほうが高い効果が得られると私は思います。
入社までの期間に社員と接する時間をなるべく多く与え、社員を通じて実際の働き方や人間関係の様子を伝え、可能であればそれらを体験する機会も与えるとよいと思います。
実際、説明会でRJPを実践したとしても、それらを汲み取り、良いところも悪いところも十分に腹落ちして自社を最後に選んでくれるかというと、学生の就職活動にそこまで期待することは難しいからです。
学生はまだ働いたことがないので、どんなに説明してもリアリティに満ちた想像をすることができません。売り手市場とはいえ1、2社程度の内定企業数です。(悪いところを見ずに)良いところを重視して入社先を選んだとしても、それ自体否定されることでもありません。
そうであれば、会社を選択する時のタイミングではなく、会社を決めた後、入社までの長い時間を使って、入社後の労働環境にゆっくりと慣れさせることを検討したほうが、確実な効果を期待することができると思います。
さらに、その時期であればRJPの他にもいくつかの観点から早期離職を防ぐ施策を検討することが可能です。ちなみに、その際に基本とするのは、「動機付け」の考え方です。
動機付けには、外発的なものと内発的なものがあることはご存じだと思います。外発的なものの代表は報酬ですが、人事制度に関わることなのでここではいったん割愛します。
内発的動機付けは、ここでは「成長実感」と考えるとよいと思います。
入社後2、3年までの間は、能力の不足にばかり目が行きがちです。当然成長もしているのですが、当事者にとって可視化されるのは不足面ばかりで、どうにもバランスが悪い時期が続きます。
つまり、若手社員は成長の真っ只中にいるのに、それを感じることが難しいと言えます。
それは「報酬は高くないのに忙しく、ここに居ても意味がない」という意識をもたらしがちです。
そのような時に、「ここに居る意味」をもたらすのが「自己の成長」です。
成長実感を持ち続けられれば、「報酬は高くないが、自分は成長できている」つまり、「この会社に居ることには意味がある」と思えるのです。
成長を伝える方法は、定期的な上司やメンターとの面談が一般的だと思いますが、メンター制度は応用すれば、内定者にも実施できます。
学生生活に目標を作らせ、メンターへの報告やフィードバックの仕組みをあてがえば、内定者個々人にも成長実感をもたらすことが可能となり、内定辞退の防止効果も望めます。
またこの他にも、親和的な動機付けの考え方を利用する方法もあります。
これは、親しい仲間と一緒に居たい、という気持ちを利用するものです。こちらも説明会のタイミングよりも、内定者や新入社員に向けた施策として検討しやすいと言えます。
やり方は、内定者や新入社員を数名ずつグループ化し、共同で課題に取り組ませたり、ゲーム的に競わせるといったもので、仲間意識を強める効果があります。
例えば、内定時から入社時まで、長期でグループ活動をさせれば、誰かがドロップアウトしそうになっても、他の内定者がフォローするといった効果も期待することができます。
以上、いくつかの観点から、早期離職の防止策についてお話ししてきました。
早期離職に関しては、採用以外に、育成や制度設計、現場のマネジメントなど様々な課題が関係するためすぐに成果につなげることはなかなか難しいと思いますが、一歩ずつ前進していくことが重要だと思います。この回答に少しでもヒントがあれば幸いです。
*2016年労働政策研究・研修機構調査による