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採用活動に対して非協力的な社員や部署のマインドを変えるためには?準備する/採用計画
現場の協力を得ることが難しい状況です。採用活動に対して非協力的な社員や部署のマインドを変えるためにはどうすればよいのでしょうか?
「採用の仕事は人事がやるべきことであって、現場が手伝うことではない」
と各事業部から言われ、リクルーターはおろか、インターンシップの受け入れや会社説明会の同席も協力してもらえない状況です。
現場社員の協力がないと採用活動は難しいと説明しても、「能無しか」 と言われ協力を得られません。
徹底的に無駄を省きたいという現場らしい考え方といえばそうなのですが、 長年培われてきたこういったマインドを入れ替えるのは、やはり難しいでしょうか?
今年度は色々とリソース不足の中、なんとかやれることをやっていますが、来年度のことを考えると苦しいです。
( 製造業/従業員規模 1000~3000人未満/採用業務経験 1~2年 )
今こそ好機! しっかりと次シーズンの対策をしましょう!
私も採用担当者時代、現場の協力を得るのにとても苦労した思い出があります。
それ故、質問者の方の気持ちはとてもよくわかります。
ただ、不幸中の幸いではないですが、今はまさにそのような状況を打破する好機だと思います。
なぜなら今年は採用活動に関して、社会的に大きな変化があったからです。
採用スケジュールの後ろ倒し、インターンシップへの注目の高まり、おわハラの話題などがそれに当たります。
今はそれらの話題を受けて「今後は採用活動を……に変えなければいけない」 ということを社内に発信して示す最大の好機なのです。
ですから今からシナリオをしっかりとつくり込み、発信の準備をしましょう。
●準備1: シナリオづくりのポイントを押さえる
まず、協力を得たい相手から見て、こちらの要求がどのように見えているのかを振り返ってみてください。
断られてしまうのは、それが 「会社のため」 ではなく 「採用チームのため」 というように見えているのかもしれません。
本来、別の業務を持っている社員が他部門の仕事を手伝うとしたら、やはり 「会社のためになるなら」 といった大義名分が必要でしょう。ただ業務の一貫として捉えられているのだとすれば、「それは人事がやるべき仕事」 と断られてしまっても仕方がありません。
たとえあなたが 「会社のために」 と主張していたとしても、相手にはそれが伝わっていないのかもしれません。
そのような場合は、シナリオのつくり方に問題があるのだと思います。
シナリオは、「抽象的な話」 から 「具体的な話」 の順でつくります。
安易に断られてしまうような場合には、伝わる順序が逆になってしまっていることが少なくありません。
以下に例を示します。
断られやすい例: 具体的な話 → 抽象的な話
1. 「来月会社説明会があるので、若手の営業社員3人にお手伝いをお願いできないでしょうか?
1人につき半日を2回お願いできればと思います」
2. 「仕事について現場社員の口から直接学生に伝えるのは効果的だからです」
3. 「優秀な人材の獲得を成功させるには、自社の仕事をよく知ってもらうことが必須なのです」
この順序だといきなり具体的な要求をしてしまうことになるため、「人事はまったく現場の状況など気にしていない」 と思われてしまっても仕方がありません。
受け入れられやすい例: 抽象的な話 → 具体的な話
1. 「優秀な人材の獲得を成功させるためには、自社の仕事をよく知ってもらうことが必須です」
2. 「それには、仕事について現場社員の口から直接学生に伝えるのが効果的なのです」
3. 「ついては来月会社説明会があるので、若手の営業社員3人にお手伝いいただけないでしょうか?
1人につき半日を2回お願いできればと思います」
この順序で伝えれば、1、2で述べていることが正しければ正しいほど3は断りにくくなります。
なお、1や2は 「人事として」 というより、 「会社として」 「社会的背景として」 客観的に正しいことを理由にして話すことが大切です。
●準備2: 否定されづらい情報を収集する
「会社として」 「社会的背景として」 正しいことを述べるには、情報が必要になります。
そこで、今年度の採用活動の振り返りから有用な情報を得ることが大切です。
例えば、内定者(学生)に 「企業が優秀な人材を獲得するために絶対に行うべきことは何だと思いますか?」 と聞いてみてください。
そこには恐らく 「現場社員の方から直接話が聞けるようにする 」「インターンシップを実施する」 といったコメントが並ぶでしょう。それらは数字で可視化できますから、否定されづらいものになるでしょう。
その他、今年の就職活動に関するさまざまな調査資料の中にも、有用な情報が見つけられると思います。
●準備3: トップの後ろ盾を得る
次に行うことは、トップの後ろ盾を得ることです。
ちなみにこれは、私が採用担当者時代に最も効果があった方法です。
協力依頼がうまくいかないのは、部門から部門へと横方向に依頼が走るためで、協力依頼を一旦上にあげてトップからの指示に見せれば、格段に受け入れられやすくなります。
経営者は折に触れ、社内にメッセージを出します。
例えば、年初には今年の抱負を社員に伝えることが多いと思います。そのような機会を利用するのです。
私が知る限り、その中には経営的な話はもちろん 「人材」 について語られることが少なくありません。
トップが年初の抱負を語る際に、 「人材の強化については、人事部門が具体的な施策をまとめているので、時期が来たら現場に協力を依頼することになるがよろしく」 というように一言いってもらえれば大成功です。
採用活動への協力は間違いなくスムーズに進みます。
ただそれには、まずあなたがトップに対して「採用チームはこのように取り組む」 ということをコミットする必要があるでしょう。今年の採用環境の変化や学生が求めていることをまとめ、次のシーズンに採用チームが取り組む改善ポイントを、上司を通じてトップに伝える必要があると思います。
そしてトップの言質を得られても、それを現場に振りかざさず、関係性をよくすることに心を砕きましょう。
現場がどのような状況であるか先に情報を得て、協力してもらう時間や場所について融通し、協力者は気に入った応募者を自らの部署へ優先的に配属できるような工夫を考えるとよいと思います。
以上ここまで、次シーズンに向けた対策をお話してきました。
最後にもう一度、私たちの活動の目的について確認しましょう。
私たちの活動は、スケジュールされた採用活動をただこなすことが目的なのではありません。
それならば現場の方がいう通り、人事の仕事であり人事だけでやればよいのです。
私たちの活動のすべては、部門の域を超えて、将来の自社の繁栄のためにあるのです。
そのように掲げた目的には、他部門を巻き込むこともいとわず、社内を一つにして向かわなければいけません。
それを正しく理解してもらうには、大きな準備を要するシナリオが必要です。
率先して行動し、目的達成に向け邁進していきましょう。
私も採用担当者時代、現場の協力を得るのにとても苦労した思い出があります。
それ故、質問者の方の気持ちはとてもよくわかります。
ただ、不幸中の幸いではないですが、今はまさにそのような状況を打破する好機だと思います。
なぜなら今年は採用活動に関して、社会的に大きな変化があったからです。
採用スケジュールの後ろ倒し、インターンシップへの注目の高まり、おわハラの話題などがそれに当たります。
今はそれらの話題を受けて「今後は採用活動を……に変えなければいけない」 ということを社内に発信して示す最大の好機なのです。
ですから今からシナリオをしっかりとつくり込み、発信の準備をしましょう。
●準備1: シナリオづくりのポイントを押さえる
まず、協力を得たい相手から見て、こちらの要求がどのように見えているのかを振り返ってみてください。
断られてしまうのは、それが 「会社のため」 ではなく 「採用チームのため」 というように見えているのかもしれません。
本来、別の業務を持っている社員が他部門の仕事を手伝うとしたら、やはり 「会社のためになるなら」 といった大義名分が必要でしょう。ただ業務の一貫として捉えられているのだとすれば、「それは人事がやるべき仕事」 と断られてしまっても仕方がありません。
たとえあなたが 「会社のために」 と主張していたとしても、相手にはそれが伝わっていないのかもしれません。
そのような場合は、シナリオのつくり方に問題があるのだと思います。
シナリオは、「抽象的な話」 から 「具体的な話」 の順でつくります。
安易に断られてしまうような場合には、伝わる順序が逆になってしまっていることが少なくありません。
以下に例を示します。
断られやすい例: 具体的な話 → 抽象的な話
1. 「来月会社説明会があるので、若手の営業社員3人にお手伝いをお願いできないでしょうか?
1人につき半日を2回お願いできればと思います」
2. 「仕事について現場社員の口から直接学生に伝えるのは効果的だからです」
3. 「優秀な人材の獲得を成功させるには、自社の仕事をよく知ってもらうことが必須なのです」
この順序だといきなり具体的な要求をしてしまうことになるため、「人事はまったく現場の状況など気にしていない」 と思われてしまっても仕方がありません。
受け入れられやすい例: 抽象的な話 → 具体的な話
1. 「優秀な人材の獲得を成功させるためには、自社の仕事をよく知ってもらうことが必須です」
2. 「それには、仕事について現場社員の口から直接学生に伝えるのが効果的なのです」
3. 「ついては来月会社説明会があるので、若手の営業社員3人にお手伝いいただけないでしょうか?
1人につき半日を2回お願いできればと思います」
この順序で伝えれば、1、2で述べていることが正しければ正しいほど3は断りにくくなります。
なお、1や2は 「人事として」 というより、 「会社として」 「社会的背景として」 客観的に正しいことを理由にして話すことが大切です。
●準備2: 否定されづらい情報を収集する
「会社として」 「社会的背景として」 正しいことを述べるには、情報が必要になります。
そこで、今年度の採用活動の振り返りから有用な情報を得ることが大切です。
例えば、内定者(学生)に 「企業が優秀な人材を獲得するために絶対に行うべきことは何だと思いますか?」 と聞いてみてください。
そこには恐らく 「現場社員の方から直接話が聞けるようにする 」「インターンシップを実施する」 といったコメントが並ぶでしょう。それらは数字で可視化できますから、否定されづらいものになるでしょう。
その他、今年の就職活動に関するさまざまな調査資料の中にも、有用な情報が見つけられると思います。
●準備3: トップの後ろ盾を得る
次に行うことは、トップの後ろ盾を得ることです。
ちなみにこれは、私が採用担当者時代に最も効果があった方法です。
協力依頼がうまくいかないのは、部門から部門へと横方向に依頼が走るためで、協力依頼を一旦上にあげてトップからの指示に見せれば、格段に受け入れられやすくなります。
経営者は折に触れ、社内にメッセージを出します。
例えば、年初には今年の抱負を社員に伝えることが多いと思います。そのような機会を利用するのです。
私が知る限り、その中には経営的な話はもちろん 「人材」 について語られることが少なくありません。
トップが年初の抱負を語る際に、 「人材の強化については、人事部門が具体的な施策をまとめているので、時期が来たら現場に協力を依頼することになるがよろしく」 というように一言いってもらえれば大成功です。
採用活動への協力は間違いなくスムーズに進みます。
ただそれには、まずあなたがトップに対して「採用チームはこのように取り組む」 ということをコミットする必要があるでしょう。今年の採用環境の変化や学生が求めていることをまとめ、次のシーズンに採用チームが取り組む改善ポイントを、上司を通じてトップに伝える必要があると思います。
そしてトップの言質を得られても、それを現場に振りかざさず、関係性をよくすることに心を砕きましょう。
現場がどのような状況であるか先に情報を得て、協力してもらう時間や場所について融通し、協力者は気に入った応募者を自らの部署へ優先的に配属できるような工夫を考えるとよいと思います。
以上ここまで、次シーズンに向けた対策をお話してきました。
最後にもう一度、私たちの活動の目的について確認しましょう。
私たちの活動は、スケジュールされた採用活動をただこなすことが目的なのではありません。
それならば現場の方がいう通り、人事の仕事であり人事だけでやればよいのです。
私たちの活動のすべては、部門の域を超えて、将来の自社の繁栄のためにあるのです。
そのように掲げた目的には、他部門を巻き込むこともいとわず、社内を一つにして向かわなければいけません。
それを正しく理解してもらうには、大きな準備を要するシナリオが必要です。
率先して行動し、目的達成に向け邁進していきましょう。