経営陣が一新、人材要件も再考へ。注意すべき点は?準備する/採用計画

Q

経営陣が一新したことに伴って人材要件も再考したいと考えています。人材要件を定義する際に注意すべき点があれば教えてください。


当社は創業から12年が経過し、今年経営陣が一新されたことで、第二創業期に突入したと感じています。

このタイミングで人材要件の再考も検討していますが、その際に心がけるべきことや注意すべき点などありますでしょうか。

抽象的な質問で恐縮ですが、ご意見いただければ幸いです。

( ITサービス業/従業員規模 100~300人未満/採用業務経験 3~5年 )

Q
スター社員の 「主観」 に気を付けましょう

創業12年ということですので、おそらく貴社は事業的にも順調であり、社内には成功体験を積んだ社員が大勢いるのではないかと思います。

ほとんどの企業で行われているベーシックな人材要件を定義する方法は、社内で実際に高い成果をあげてきた、いわゆる「スター社員」たちにインタビューをすることです。

「どのような社員が自社では活躍すると思うか」 「仕事上で自身が気を付けていることは何か」 などを聞き、それらを整理することで、自社にとって理想的な人材要件を抽出しようというわけです。

しかし、この方法には気を付けなければならない落とし穴があります。それは、「プロは自分がなぜプロであるかを気づいていないことがある」ことです。

例えば、社内のスター社員(プロ)が自身の成功理由について 「慎重に物事を進めているからだ」 と言ったとしても、第三者からは「大胆さ」 が真の成功理由だと思われていることがあります。また、どのような人が成功するかということについて 「素直な人がいい」 と言っても、実際は 「生意気な人」 の方がハイパフォーマーであったりするようなことはよく起こるものです。

パフォーマンスが高い人を基準値にすると軸がぶれることがあるため、彼らの主観的な意見が正しいとは限らないのです。

ではどうすればよいのかというと、スター社員のインタビューにおいては、自分をどう捉えているかやどのような社員が理想的かといった 「意見」 ではなく、「彼らが実際にやっている日々の行動パターンや思考パターン」 を聞いてください。

誤った主観が反映される可能性のある「どう思っているか」 より、 「何をやっているか」 という具体的事実が重要です。また、できるだけ主観が入り込まないような適性検査など、客観的事実を証明できるツールを用いて、ハイパフォーマーのパターンを検証しましょう。

もし可能であれば現場にも赴き、彼ら彼女らの実際の 「行動」 を観察 (例えば営業同行など) してもよいかもしれません。

このような方法によって、できるだけ信ぴょう性の高い事実にもとづく情報をさまざまに収集し、それをもとに、自社で活躍する社員としての理想的な人材要件をつくっていただければと思います。
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