そもそも学生が集まらない。学生が集まりにくい中小企業の戦い方は?準備する/採用計画

Q

そもそも学生が集まらず、母集団形成に苦労しています。学生が集まりにくい中小企業の戦い方を教えてください。


学生が集まらず、母集団形成そのものに苦労しています。学生にとって人気がない業種なのか、募集をかけても学生が集まらず、説明会の予約率・参加率も低調です。


中小企業の厳しい現状をご考慮いただき、現実的な、採用活動に生かせる方策や、何かヒントがあれば、教えていただければと思います。


( 製造業/従業員規模 ~50人未満/採用業務経験 1~2年 )

Q
どんな会い方でもよいので、とにかく会うことが肝心です。
会えば、次があります。


景気向上により大手企業の採用数も増え、採用環境がどんどん厳しくなっていく中、大変なご苦労をされていることと思います。私も実際に、中小企業のクライアントから、さまざまな悩みを日々うかがっています。

まじめに採用しようとすればするほど、「まずは会社説明会から」 と思ってしまうものですが、知名度と会社説明会の魅力度は、ほぼイコールです。

ですから、知名度の低い会社が、最初の母集団形成のためのイベントとして会社説明会をもってくるのは、あまりお勧めではありません。
それで学生が集まらないのは当然です。

知名度があまりない中小企業(弊社などはさらに零細な企業ですが) には、中小企業なりの戦い方があります。

それは 「手段を選ばず、とにかく会う」 ということです。

会社説明会をしなければならない、という常識から離れて、「もし、とにかく学生に会うなら、どうすればよいのか」を考えてみてください。

最近の例を挙げると、「焼肉やふぐを食べさせてあげるから、自社に会社訪問しませんか」 というプロモーションをしている会社がありました。
極端な例と思われるかもしれませんが、体育会に所属していた自社の内定者へ 「食事会を催すから、後輩を連れて来て」 と依頼をし、腹をすかせた学生数十名に会うというのは、ずっと昔からあったやり方です。

この他にも、「自社の採用ブランドに関するアンケートのアルバイト(時給数千円)に参加しませんか」 とか、「学生団体に協賛するから、自社の懇親会に学生を集めて来てくれ」 というようなやり方で学生を集めた会社もあります。

このように 「食事」 や 「お金」 は、学生を引きつける分かりやすい手法です。
しかも、食事やお金のコストは、きちんと計算すれば、おそらく広告費や紹介費よりも割安なはずです。

「食事」 や 「お金」 があまりに生々しすぎると思われるのであれば、私がよくクライアント向けに提案しているのは、「面接対策セミナー」 のような就職活動応援企画を実施して、そのスポンサーになるというやり方です。

自社にエントリーしてくれる学生や、Web-DMで呼び込む学生のための受け皿的な役割のイベントとして、「こういう就職活動応援企画をするから来ませんか。その後、社員との懇親会もあります」というように使うための企画です。そのような企画を打てば、自社にそれほど興味がない学生も、企画自体の魅力で参加してきて、会えるというわけです。

ただ、このような話をすると、 「そんな方法で集めて学生に会ったとしても、自社への志望度は大変低く、採用にはつながらないのではないか」 と思われることでしょう。それは、その通りです。 しかし、会えない人は、採れません。いくら志望度が低かろうと、そもそも、会えなければ次はないのです。

もし、何らかの方法で会うことができたなら、全力で口説いていけば、確率は低いかもしれませんが、最初はまったく興味を持っていなかった学生が、「御社に行きたい!」 と言ってくれることもあります。会いさえすれば興味を持ってくれる学生も、少なくないのです。

実際、私がサポートしている中小企業のクライアントでは、何社も実現していることです。
地方にある社員100名ほどの金型メーカー様が主催した某国立大の面接対策セミナーでは、そこに集まった数十名の学生から、数名を採用した事例もあります。

私は企業規模の大小を問わず、必ず、よい人は採れると思っています。

そのためには、学生が魅力的に感じるような企画を通じて 「とにかく学生に会う」。

そして、会ったならば、今度は、自社に魅力を感じてもらえるように、採用担当者が頑張って口説く(口説き方には工夫が必要です) というのが、王道です。
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