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選考プロセス設計:設計例準備する/採用計画
監修:曽和利光(組織人事コンサルタント)
採用課題に応じた選考プロセス設計の方針例。
【ケース1】
<課題>
採用目標人数に比してエントリー数が多く、望ましい人材を見つけ出すのに苦心している<課題解決の方向>
- より自社にとって望ましい人材にパワーを割くため、大勢の応募者への対応パワーを削減する
- 望ましい人材を早期に、精度高く発見してフォローする
<選考プロセス設計方針の例>
- 説明会は大規模会場で実施することで、回数を少なくし、運用の負荷を下げる
- 適性検査の合格基準は厳しめに設定し、後工程の選考負荷を下げる
- 面接は、特に初期段階については、一気に対処して選考期間が延びないようにする。面接担当者や面接会場などのキャパシティを早期に確保しておく
- 発見した望ましい人材向けに飛び級的選考プロセスを用意して、選考のスピードアップができる体制を構築しておく
【ケース2】
<課題>
採用目標人数に比してエントリー数が少なく、母集団形成に苦心している<課題解決の方向>
- エントリー者や受検者を増やす
- 途中辞退者を減らす
<選考プロセス設計方針の例>
- 説明会は小分けにして多回数実施し、学生が参加しやすいようにする。また、説明会参加は義務とせず、参加しない学生にも選考応募の権利を設ける
- エントリーシートなどの学生の応募負荷を上げるようなものは、無くすか、極力、軽くする
- 適性検査の合格基準は低めに設定し、可能な人数まで、できるだけ多く面接する(面接で直接、会うこと自体がPRに)
- 早期受検者は早期に選考プロセスを進めていき、待たせない。そのために、全応募者の選考結果が出揃ってから、次のプロセスを実施するのではなく、五月雨式、同時並行的に、複数の選考プロセスを進めていく
【ケース3】
<課題>
採用人数が少ないため、できるだけ効果的に採用活動を行いたい<課題解決の方向>
- エントリー数が採用人数に比して多いので、効果的に望ましい人材を絞り込みたい
- あまり不合格者を出したくない。本気の応募者のみに受検してほしい
<選考プロセス設計方針の例>
- 説明会は実施しない(採用ホームページや動画配信などで代用)か、大規模イベントを少数回実施して、負荷は最小限にする
- 本気度の高い応募者のみに絞るために、エントリーシートには“重め”の課題を設定する。
- 選考プロセスは、1ステップごとに、全応募者が終了してから次のステップに進める。全応募者を見た上で、望ましい人材から合格を出せるような体制にしておく(五月雨式に選考を進めていくと、初期の応募者と後期の応募者を比較することができず、選考基準にブレが生じる可能性がある)
【ケース4】
<課題>
採用活動にコストやパワーを割けないため、負荷のかからない採用活動をしたい<課題解決の方向>
- できるだけ少ない人数や期間で採用活動を行いたい
<選考プロセス設計方針の例>
- 母集団形成にコストをかけず、少ないエントリー数でも受検者数を多くできるように、エントリーシートや説明会参加義務などのハードルは、できる限り、少なくする
- 電話アポイントによる呼び込みなどの工夫をすることで、少ないエントリー者からの受検率を高める
- 大学のキャリアセンター経由やOBOG訪問など、広くたくさんの応募・接触チャネルを用意しておく
- 自社よりも大幅に採用力があると思われる企業との競合を避け(フォローパワーが多大になる)、それらの企業の採用ハイシーズン直後ぐらいに、本格的な採用期間を設定する。一方で、通年採用など、広く細く窓口は常に開けておき、柔軟に対応する