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2015/02/03

学生を惹きつける説明は「ちょっとした工夫」でできる―採用担当者へ読書のススメ―

辻 太一朗(つじ・たいちろう)
(株)リクルート人事部を経て、1999年(株)アイジャストを設立。
2006年(株)リンクアンドモチベーションと資本統合、同社取締役に就任。
2010年(株)グロウス アイ設立、大学教育と企業の人材採用の連携支援を手掛ける。
また同年に(株)大学成績センター、翌11年にはNPO法人DSS (大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会) を設立。
採用に関わる多くのステークホルダーを理解しつつ、採用・就職の"次の一手"を具体的に示すことに強みを持つ。

イントロダクション

 

こんにちは。採用ナビゲーターの辻太一朗です。

2016年卒採用活動の幕開けがいよいよ目の前に迫ってきましたね。
準備でご多忙を極めておられる採用担当の方も多いかと思います。

さて、今回は学生に自社の強みを伝えるために、誰にでもできる 「ちょっとした工夫」 についてお話ししたいと思います。

採用担当の皆さんは当然のことながら学生と話す機会が多いと思いますが、会社の強みや特徴を説明していて 「この情報は本当に学生に響いているのだろうか?」 と疑心暗鬼に陥ったことはありませんか?

「自社の強み」がそのまま「自社採用における強み」になるとは限りませんよね。
例えば、非常に優れた技術を持つ企業であっても、その技術が学生に認知されていて、やりたいことと合致しなければ学生の心を動かすのは難しいでしょう。

私も採用担当として新人だったころは、学生に対して自社の強みを 「ありのままに」 伝えることしかできていなかったと思います。

当時、その状態を見かねた先輩に、 「お前は学生と話す時の話題が乏しいんだから、とにかく本を読んでみろ」 といわれたことがありました。

当初は採用業務と読書の関係性がいまいち理解できませんでしたが、とにかくいわれた通りに本を読んでみることにしました。

すると、読書の知見が、面接の場で非常に有効に使えることが分かってきたのです。

“ステレオタイプな説明”に学生は飽きている

ここで採用担当者と学生の会話をもとにした2つのケースを挙げたいと思います。
皆さんは学生の視点に立って、どちらの担当者の説明に心が惹きつけられるかを、想像してみてください。

  • <ケース1>
  • 採用担当者 :  「ウチの会社の理念って話したっけ?」
  • 学生 :  「いえ、お聞きしてないです」
  • 採用担当者 :  「ウチの会社は、消費者が望んでいるものを調査してそれに合わせた製品をつくるのではなく、新しい製品で彼らをリードしていくという精神を昔から大切にしてきたんだ。例えばウチの△△という製品はもともと……」

  • <ケース2>
  • 採用担当者 :  「『ビジョナリー・カンパニー』 って本、読んだ?」
  • 学生 :  「いえ、読んでないです」
  • 採用担当者 :  「これは最近流行りの本なんだけど、読んでみると参考になるよ。成長を続けている世界的企業が18社挙げられていて、他社と比較分析した結果、企業にとって重要なのは 『組織として理念を持ち、それを社員の指針や活力とすること』 だと書かれているんだ。 ウチの会社はそこで挙げられている企業には敵わないけど、そこに挙げられている○○社が大切にしている 『消費者が望んでいるものを調査してそれに合わせた製品をつくるのではなく、新しい製品で彼らをリードしていく』 という理念は、ウチの会社でも昔から大切にされてきたことなんだ。例えばウチの△△という製品はもともと……」


いかがでしょうか。

自社の強みを淡々と説明するより、自社の強みと本の視点をかけあわせた <ケース2> の説明の方が惹きつけられると感じませんか?

就職活動中の学生は誰もがたくさんの説明会や面接に参加し、多くの企業の強みを見聞きしていますので、ステレオタイプな説明には飽きている状態といえます。

それを踏まえて、先輩が私に読書を勧めたのは、 「自社の情報をそのまま伝えるのではなく、客観的な視点や指標を用いて説明できるようになってほしい」 という理由であったと理解しています。


学生のためになる話ができれば、自社への惹きつけになる

『ビジョナリー・カンパニー』 は、私が採用担当者だった当時に流行った本で、アメリカの主要企業のCEOに対する調査から生み出されたレポートです。その後続編も数多く出版されていますので、現在においても参考になることが多く書かれているかと思います。

学生との話の取っ掛かりとするには、このような、その時々で話題になっている本を選ぶのがよいと思います。

当時は、 「このネタは使えるかどうか」 という本の読み方しかしていませんでした。
これは正しい本の読み方ではなく理解度も低かったかもしれませんが、あえて 「採用の質を上げるための読み方でよい」 と割り切って考えていました。

はじめは自社に対して関心の薄い学生であっても、その後随所で学生にとって社会勉強となるような有益な話をされれば、自然に興味を持って話を聞き始めるでしょう。

学生にとって採用担当者はその企業の “顔” ですから、 「興味深い話をしてくれる採用担当がいた」 という印象を残すことができれば、間接的に自社への惹きつけへとつながることでしょう。

なお、これは蛇足ではありますが、新人時代の私にとって本は高価なものでしたので、上司に 「本を貸していただけませんか?」 とお願いしたことがありました。

するとその上司は 「自分で買った本でないと読み方が浅くなる。だから自分で買え」 といいました。

確かに一理あると思います。自分でお金を払ったのであれば、その分の元を取ろうと必死に読みますからね。

読書は、採用業務のやりがいにもつながる

読書に励みながら、 「よい会社とはどんな会社なのか」 「それはどんな指標をもとにいえるのか」「そうした指標に照らし合わせて自社の強みはなにか」 「弱みはなにか」 などと日々考えたことで、結果的に、物事を枠組みでとらえて体系的に整理するクセがついたと思います。

これは社会人として身につけておかなければならない能力のひとつですよね。
そう考えると、 私が当初行っていた 「これはネタとして使えるかどうか」 という読み方も、意外と小手先の読み方というわけでもなかったのかもしれません。

また、こうした会話にも慣れ、かつて読んだ複数の本のエッセンスを組み合わせて自社の魅力を語ることができるようにまでなると、学生から 「○○さんって、とても博学なんですね!」 と驚かれることがあるかもしれません。

これは採用担当者としてだけでなく、純粋に人としても嬉しいものですよね。


学生にとって会社の顔である 「あなた」 の印象があがることで、「会社」 への印象もあがるものです。
同時に、自然と志望度や入社意欲もあがる可能性が大きいのです。

今回ご紹介したようなちょっとした会話の工夫で学生を惹きつけることは可能ですし、さらには皆さま自身の日々の業務のやりがいにもつながると思います。

ぜひ、試してみてください。

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