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学生を総合的に評価する方法はありますか?選ぶ/選考
学生を総合的に評価する方法はありますか?
当社はありがたいことに、母集団形成にさほど苦慮することはありません。しかし、面接にかけられる時間とマンパワーに限りがあるため、書類選考で一定数の方を不合格とせざるをえない状況です。
書類選考はエントリーシートをもとに行っていますが、エントリーシートの内容にはさほど違いがないように感じるため、評価に迷うことがあります。
学生をより適切に、総合的に評価するには、どうしたらよいのでしょうか。
( 建設業/従業員規模 3000~5000人未満/採用業務経験 1~2年 )
エントリーシート設計、スケジュール変更、総合的な評価の考察が解決の鍵です!
●エントリーシートで差がつかないのはなぜか
まず、エントリーシートで差がつかない理由について考えてみたいと思います。
採用設計では、多数の人を合格にしたい場合には難易度を下げ、少数の人を合格にしたい場合には難易度を高めることが基本です。
つまり、エントリーシートの結果に差が出ない場合、その原因はエントリーシートという手法にあるのではなく、エントリーシートの課題が易しいことにあるといえます。この場合、他のエントリー方法に変更したとしても、課題が易しい場合には同じことが起こります。
エントリーシートで結果に差が生じるようにする、つまり難易度を高めるには、一般的に以下のような対策が考えられます。
1. 指定文字数を増やす
指定文字数を増やすことは、難易度を高める最もシンプルな施策です。(適切な文字数に関しては、以前に記したコラム「エントリーシートの字数は400字がよい?」を参考にしてください。)
2. 設問数を増やす
設問数を増やすことも、難易度を高めるためにシンプルで効果的な施策です。
3. 書かせるテーマ自体を難しくする
景気について論じさせるなどテーマを直接的に難しくする以外にも、ウェブサイトを見て意見を述べさせるなど、付帯作業を課すことでも難易度を高めることができます。
なお、上記のような対策により難易度を高めることによって、エントリー数の減少も予想されます。
急激に課題を難しくしてエントリー数の予想が立たなくなる事態は避けなければいけませんが、課題が難しくなったことによってエントリーをあきらめる応募者は、そもそも貴社に強い興味を持っていない応募者だともいえます。
母集団形成に困っていない状況であるならば、むしろこれを機に、母集団の適正規模を再設定してもよいと思います。
●母集団の減少を想定する
次に、考慮しなくてはならないのは、採用広報活動期間についてです。
2017年度に経団連から発表された選考活動開始時期の繰り上げにより、3月に採用情報公開、6月に選考開始というスケジュールとなりました。そのため学生は、3ヶ月間という短い期間で企業選びを行っています。
3カ月目にエントリーシートの提出となると、実質残りの2カ月間で説明会を回りながら学業と企業選びを両立することになります。これは学生にとって、かなりタイトなスケジュールです。それを受けて、エントリー時の学生負担を減らそうという動きもあります。
こういった状況下、エントリーシートの難易度を高めることによって生じる影響は少なからずあると考えた方がよいでしょう。最終的にどのように意思決定すべきかは、自社の採用ブランドをどの程度信頼するかによると思います。
ここでいう採用ブランドとは、学生に対する企業認知度ではなく、採用活動における学生の惹きつけの強さです。元々惹きつけの強い採用を実現できていれば、母集団が小さくなっても質を落とさない採用活動が可能です。
●総合的に評価する方法とは
最後に、「総合的に評価する方法はないか」という質問について考えてみたいと思います。
ここでまず大切なことは、「総合的」の定義です。
実際、人を見極めるためには、「観点の設定」が必要不可欠です。「総合的に評価する」とは、設定したいくつかの観点を、網羅的に鑑みて評価をするということを意味します。ではそのいくつかの観点とはどのようなものでしょうか。
以下の図は、以前のコラム『「ありのまま」は救いの言葉か?それとも罠か?』で紹介した、採用選考の一般的な評価要素を説明したものです。
ひとつの考え方として、「総合的に評価する」とは、図のように行動特性(行動の質)、知識・スキル、興味・志向、価値観、性格、基本処理力を網羅的に見ることであると定義できます。
仮にエントリーシートでも、そのような観点(学生時代の取り組みや、持っている知識、スキル、興味、価値観など)について、網羅的に記載させれば、「総合的な」評価が可能だといえます。そもそもエントリーシートとは、「何かを文章で表現する方法」を指しているに過ぎないのです。
質問者の方へのアドバイスとしては、まずは、自社で考えるところの「総合的」の意味するものが何であるのか、つまり行動の質なのか、知識・スキルなのか、価値観なのか、性格なのか、もしくはそれらの組み合わせなのかを明らかにする必要があると思います。
その上で、それを文章に書かせるのか、リクルーターが聞き出すのか、テストで代替するのか、1分間の動画に収めて提出させるのか、最も合理的で効果的だと思われる方法を検討することになります。
評価したい要素が明らかになれば、適切な評価方法を想定することも可能になります。
ぜひその時にまたご相談に乗れればと思います。
●エントリーシートで差がつかないのはなぜか
まず、エントリーシートで差がつかない理由について考えてみたいと思います。
採用設計では、多数の人を合格にしたい場合には難易度を下げ、少数の人を合格にしたい場合には難易度を高めることが基本です。
つまり、エントリーシートの結果に差が出ない場合、その原因はエントリーシートという手法にあるのではなく、エントリーシートの課題が易しいことにあるといえます。この場合、他のエントリー方法に変更したとしても、課題が易しい場合には同じことが起こります。
エントリーシートで結果に差が生じるようにする、つまり難易度を高めるには、一般的に以下のような対策が考えられます。
1. 指定文字数を増やす
指定文字数を増やすことは、難易度を高める最もシンプルな施策です。(適切な文字数に関しては、以前に記したコラム「エントリーシートの字数は400字がよい?」を参考にしてください。)
2. 設問数を増やす
設問数を増やすことも、難易度を高めるためにシンプルで効果的な施策です。
3. 書かせるテーマ自体を難しくする
景気について論じさせるなどテーマを直接的に難しくする以外にも、ウェブサイトを見て意見を述べさせるなど、付帯作業を課すことでも難易度を高めることができます。
なお、上記のような対策により難易度を高めることによって、エントリー数の減少も予想されます。
急激に課題を難しくしてエントリー数の予想が立たなくなる事態は避けなければいけませんが、課題が難しくなったことによってエントリーをあきらめる応募者は、そもそも貴社に強い興味を持っていない応募者だともいえます。
母集団形成に困っていない状況であるならば、むしろこれを機に、母集団の適正規模を再設定してもよいと思います。
●母集団の減少を想定する
次に、考慮しなくてはならないのは、採用広報活動期間についてです。
2017年度に経団連から発表された選考活動開始時期の繰り上げにより、3月に採用情報公開、6月に選考開始というスケジュールとなりました。そのため学生は、3ヶ月間という短い期間で企業選びを行っています。
3カ月目にエントリーシートの提出となると、実質残りの2カ月間で説明会を回りながら学業と企業選びを両立することになります。これは学生にとって、かなりタイトなスケジュールです。それを受けて、エントリー時の学生負担を減らそうという動きもあります。
こういった状況下、エントリーシートの難易度を高めることによって生じる影響は少なからずあると考えた方がよいでしょう。最終的にどのように意思決定すべきかは、自社の採用ブランドをどの程度信頼するかによると思います。
ここでいう採用ブランドとは、学生に対する企業認知度ではなく、採用活動における学生の惹きつけの強さです。元々惹きつけの強い採用を実現できていれば、母集団が小さくなっても質を落とさない採用活動が可能です。
●総合的に評価する方法とは
最後に、「総合的に評価する方法はないか」という質問について考えてみたいと思います。
ここでまず大切なことは、「総合的」の定義です。
実際、人を見極めるためには、「観点の設定」が必要不可欠です。「総合的に評価する」とは、設定したいくつかの観点を、網羅的に鑑みて評価をするということを意味します。ではそのいくつかの観点とはどのようなものでしょうか。
以下の図は、以前のコラム『「ありのまま」は救いの言葉か?それとも罠か?』で紹介した、採用選考の一般的な評価要素を説明したものです。
ひとつの考え方として、「総合的に評価する」とは、図のように行動特性(行動の質)、知識・スキル、興味・志向、価値観、性格、基本処理力を網羅的に見ることであると定義できます。
仮にエントリーシートでも、そのような観点(学生時代の取り組みや、持っている知識、スキル、興味、価値観など)について、網羅的に記載させれば、「総合的な」評価が可能だといえます。そもそもエントリーシートとは、「何かを文章で表現する方法」を指しているに過ぎないのです。
質問者の方へのアドバイスとしては、まずは、自社で考えるところの「総合的」の意味するものが何であるのか、つまり行動の質なのか、知識・スキルなのか、価値観なのか、性格なのか、もしくはそれらの組み合わせなのかを明らかにする必要があると思います。
その上で、それを文章に書かせるのか、リクルーターが聞き出すのか、テストで代替するのか、1分間の動画に収めて提出させるのか、最も合理的で効果的だと思われる方法を検討することになります。
評価したい要素が明らかになれば、適切な評価方法を想定することも可能になります。
ぜひその時にまたご相談に乗れればと思います。