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2013/08/06

採用担当者だからこそ身に付く深い「感化力」―採用担当者のキャリアを考える~その2―

辻 太一朗(つじ・たいちろう)
(株)リクルート人事部を経て、1999年(株)アイジャストを設立。
2006年(株)リンクアンドモチベーションと資本統合、同社取締役に就任。
2010年(株)グロウス アイ設立、大学教育と企業の人材採用の連携支援を手掛ける。
また同年に(株)大学成績センター、翌11年にはNPO法人DSS (大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会) を設立。
採用に関わる多くのステークホルダーを理解しつつ、採用・就職の"次の一手"を具体的に示すことに強みを持つ。

イントロダクション

こんにちは。採用ナビゲーター・辻太一朗です。

今回は「ビジネスパーソンとしての採用担当者のキャリア」について考えていきたいと思います。

採用担当者として、内定を出した学生が実際に入社してくれるのは、本当にうれしいものですよね。「他社よりも自社を気に入ってくれた」「採用担当の話を信じて、自分のキャリアを考えてくれた」ということは、採用担当としてのやりがいに直結しているものです。

ただ、「本当に採用したい」と思う学生は、他社からも内定をもらっている場合も多いでしょう。「自社に入社してくれると思ったのに他社へ行ってしまった」ということも、よくある話です。

では、入社してくれるケースと他社へ流れてしまうケースでは、どこに違いがあるのでしょうか。何が、その違いを生んでいるのでしょうか。入社してくれた内定者は、なぜ、何によって、入社を決めてくれたのでしょうか。

実はここに、採用担当という職種だからこそ自然に身に付けることができる、ビジネスパーソンとしてのふたつ目の「武器」があるのです。

今回は、このふたつ目の「武器」についてお話ししたいと思います。

結果を残すプロセスで身に付く「感化力」

採用担当者には、選考フローの設計や説明会、面接準備などさまざまな仕事がありますが、本来、もっとも重要なのは「自社にとって本当に採用したい学生」を入社させることです。

採用担当者としては、あくまでも「自社にとって望ましい学生を、どれだけ入社させることができたのか」が重要で、そこで結果を出してはじめて認められる仕事です。

入社させた人数だけで評価されるのなら、誰にでもできる仕事ともいえます。しかし、「自社にとって本当に採用したい学生」をきちっと入社させることこそが、採用担当の腕の見せどころのはずです。

ただ、自社にとって望ましい学生であればあるほど、自社の内定だけでなく、他社からも内定をもらっていることも多くあります。自社に入社してもらうためには、継続的に接触し、内定者の気持ちを動かして、自社への志望度を上げていく必要があるでしょう。

そこで必要になるスキルが、「感化力」です。相手が自分の話を聞いて共感してくれたり、「あの人が言うなら信じてみよう」と思ってもらえたりするような、「相手に影響を与える力」のことです。

私も、数多くの企業の採用に関わってきましたが、内定を出すまでは一生懸命、頑張るのに、内定以降、「動機づけをしている」採用担当は少ないように思います。

内定を出したものの結局、入社までに至らなかった学生については、「来てほしかったが、仕方がない」と諦めてしまう方も多いのでしょう。

しかし、ここで諦めずに、知恵を絞り、内定者を入社まで引っ張っていく、「動機づける」努力を続けることによって、採用担当者としての本来の仕事を全うできるのです。その「諦めずに動機づけし続ける」というプロセスの中で、深い「感化力」が自然に身に付いていくのです。


採用活動の中で「感化力」が身に付く理由

採用活動を、学生の考えやモチベーションに影響を与える「感化力」を身に付けることができる機会ととらえると、日々の活動は大きなチャンスとなります。

学生の重要な選択に関われる仕事

採用担当者は、社内のどの部署の社員よりも、学生に対して影響を与えやすいポジションにいます。しかも、「就職」という、学生にとって、人生で、もっとも重要な選択ともいえる局面に関わる立場です。

しかも、複数の中から1社しか選択ができない状況の中で、その最後の1社に決めてもらうために、学生相手にいちばん影響を与えられるのは採用担当者です。

学生が真剣に考えざるを得ない状況の中で、採用担当者も、目の前の学生と真剣に向き合うことになります。内定者の不安感を払しょくするために、自身の就職観や自社への思いを語ることもあるでしょう。こうした真剣かつ重大な選択を迫るような現場を経験すること自体が、「感化力」を磨くことにつながっていくのです。

形のない「会社」というものを伝えていく仕事

会社は目に見えるものではありません。だからこそ、「風土から見せる」「業界から見せる」「自社が持っている商品や技術力から見せる」など、さまざまな紹介の仕方、切り口ができます。

形がないものだからこそ、相手の志向や興味に合わせて、自社の見え方、位置付けを変えて伝えていくことができ、自社のよさを学生に伝えるために、他社との比較や業界での優位性など、いろいろな切り口を臨機応変に変え、考えていくことで、「感化力」が身に付いていきます。

自分自身の魅力がダイレクトに影響する仕事

学生はまず、採用担当者の姿を通して、その会社の魅力を感じます。ほとんどの企業では、学生にとって採用担当者がその企業で初めて接触する社員になるからです。

学生から「この担当者のようになりたい」「こういう人が活躍できる会社なら、自分も頑張りたい」と思ってもらえなければ、自社の長所を懸命にアピールしても、魅力的と感じてもらえないかもしれません。

学生にとって、どのような姿が魅力となり、それが感化につながるのか、考える必要もあるでしょう。例えば、服装や髪形、話し方、声のトーン、学生との距離感などについて、ご自身で再確認してみてもよいかもしれません。

自分自身を魅力的だと思ってもらうためには、どのような振る舞いをするべきか。それを考える行為そのもので、自然に「感化力」が磨かれていくと思います。

自分以外のリソースも活用し、全体をプロモーションできる仕事

採用担当者の仕事は、「社内のあらゆるリソースを活用し、どれだけ自社を魅力的に演出することができるか」だということもできます。

自社の持つさまざまな商品・サービスやその特性を相手の興味に合わせて伝えたり、学生の志向に合わせて、いろいろな部署の社員に会わせてみたりするなど、自社の魅力をどのように伝えれば学生の気持ちが動くのかを考え、自社の「見え方」をプロデュースしていく中で、「感化力」が身に付いていくでしょう。

「感化力」はすべての仕事で必要になる力

学生の考えや気持ちに影響を与える仕事を通して、そのスキルを磨いていくことができれば、これからの自分自身のキャリアにも大きく影響してきます。なぜなら、「感化力」はすべての仕事で必要となる力だからです。

ここまで、採用担当として身に付けられる「感化力」についてお話ししてきましたが、これをビジネスパーソンとしてのスキルに置き換えて考えてみると、どういうところで生かせるのでしょうか。

例えば、営業は、お客様に対して自社の商品の魅力を伝え、売り上げを上げ、ビジネスを拡大させていく中で、当然、「感化力」が求められるでしょう。

それだけではありません。社内でもおおいに生かせると思います。例えば、「上司に対して自分のアイデアをプレゼンテーションする」ことをイメージしてみてください。提案内容がよいからといって、そのまま伝えるだけでは、スムーズに受け入れてもらえるとは限りません。納得してもらう確率を高めるためには、「感化力」が必要になってくると思います。

例えば、「普段から自分がどう見られているのか」「上司はこの問題についてどう考えているのか」「どのような順序で話してみるか」といった、上司の気持ちを動かすような影響を与える方法を考えた上でプレゼンテーションする方が、自分のアイデアが業務に生かされる可能性が高くなるでしょう。

また、部下に対する「感化力」というものもあるでしょう。上司である自分の話すことについて、部下が「なるほど」と納得して動くのか、「上司が言うから仕方なく」動くのか。これも、「感化力」にかかっていると思います。部下が感化されて動く方が、チームとしてもよい流れになっていくのはいうまでもありませんよね。

こうした「感化力」を着実に身に付けていく上で、採用担当者という立場にあることは、絶好のチャンスでもあるのです。ビジネスパーソンとしてのスキルを磨くことができる、よい機会ととらえてみることが重要です。


少しでも、皆さんのキャリア形成のご参考になればうれしい限りです。

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