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グループ面接の導入にあたって気をつけるべきことはありますか?選ぶ/選考
グループ面接の導入を検討しています。導入にあたって気をつけるべきことはありますか?
当社では、新卒採用における面接担当を分けており、1次面接は人事部門が、2次面接は役員が担当して合否判定を行っています。
現状に問題を感じているわけではありませんが、先日別の人事担当者から「当社でもグループ面接を導入してみてはどうか」という意見がありました。
グループ面接は大手企業が導入しているイメージがありますが、当社のような比較的中小企業が導入した場合のメリットやデメリットがあればお教え下さい。
( 不動産業/従業員規模 300~500人未満/採用業務経験 6~9年 )
メリットもデメリットもあります。
導入前に、社内における採用の優先順位を考慮しましょう。
面接を工夫することで、応募者への評価の質を改善できないかどうか、常に検討を重ねる姿勢はとても大切だと思います。
以下に一般的なグループ面接(※) を行った場合のメリット、デメリットを述べていきます。
(※ 例えば面接官1人から2人に対し、応募者が4人程度、30分から40分の面接時間の中で、一人ずつ質問をしていく想定のグループ面接です)
【グループ面接のメリット】
・短時間に多くの人数を評価できる
大手企業がグループ面接を導入しているイメージがあるのは、大量の人数を短時間でさばくイメージがあるからかと思います。 確かに、短時間で多くの人数を評価することは、全体の選考プロセスを短縮することにもつながります。 実際、応募者へ内定をスピーディに出すことと、内定の受諾には相関があるという分析もあります。
・相対評価がしやすい
複数の応募者の回答や話し方を同時に観察できるので、グループ内の順位付けがしやすいといえます。 デメリット項目のほうで述べますが、一般的には、これが全体の評価にブレを生じさせる原因となっており、面接官には極めて高い評価スキルが求められます。
・ドタキャンなどに対応しやすい
個人面接では、学生が急に面接をキャンセルすると、空き時間が発生して面接官を依頼していた社員に迷惑がかかったりすることがあります。 しかしグループ面接では、仮に4人の応募者が3人になっても、予定通り面接を運営することができます。
・評価方法を工夫できる
例えば、「考えがまとまった人から発言してください」というような指示や、「今から5分間差し上げるので、~について意見を出し合って、4人の意見をまとめてもらえませんか」というような指示をすることで、主体性や、個人面接では確認しづらい他者との関わり方 (コミュニケーション能力)を直接観察することが可能です。
以上のようなメリットを享受することが、社内的に優先順位が高いという場合は、グループ面接の導入を検討してもよいでしょう。
一方で、グループ面接の評価方法について細かく考察してみると、その運用は個人面接よりもかなり難しいことがわかります。 導入を検討される際には、これから述べるデメリットについて、適切に対処する必要があります。
【グループ面接のデメリット】
・絶対評価を行いづらい
先ほど相対評価が行いやすいと書きましたが、その反面、デメリットとして、そのグループで最も優秀に見えれば合格になってしまうという現象が起こりがちです。 本来、選考で優秀な人材を残すためには、各応募者に対して絶対評価を行い、全応募者の序列を勘案して、上位から合格にする努力が必要です。
そうした場合、グループ全員が合格だったり不合格だったりしても不思議はないのですが、現実には、 グループごとに1、2名の合格を出すという安易な作業になってしまいがちです。 私の見立てでは、グループ面接を導入している多くの企業において、この評価ブレが起こっています。
・応募者の不平不満が生じやすい
グループ面接では、個人面接よりも一人当たりの発言時間が少なくなります。 それゆえ、しっかりと話を聞いてもらえたという印象を与えることが難しくなり、「話せる時間が短くて、言いたいことが全部言えなかった」という感想につながりがちです。
また、「一人すごくおしゃべりな人がいて、ペースをかき乱された」「周りが理系の院生ばかりだったので委縮してしまった」など、グループのメンバー構成が自分に不利に働いた、という不満もよく発生します。
不平不満を抑えるためには、応募者全員の発言量を揃え、組み合わせも配慮する必要があります。 しかし、これらは評価の質を高めることには何ら関係の無い、本来しなくてよい作業なのです。
・一人に突っ込んだ質問がしづらい
評価に必要となる質問と回答のやり取りの量は、応募者によって異なります。 すぐに評価ができる応募者もいれば、突っ込んだ質問が数回必要な応募者もいます。また先ほど述べた理由で、グループ面接では一人だけに突っ込んだ質問はしづらいものです。結果、もう少し質問をすれば優秀だと判断されたかもしれない学生も、不合格になるといったことが起こります。
・一人に惹きつけ施策を展開できない
面接の場は、もはや評価だけの場ではなく、惹きつけの場でもあります。個人面接では、優秀だと判断した応募者には惹きつけ施策を実施できますが、グループ面接ではそれができません。私はこれがもっとも大きな問題だと思います。
・時間コントロールが難しい
グループ面接は、個人面接に比べると一回の面接の時間コントロールが難しく、面接官に余計な負担をかけます。慣れていない面接官の場合、評価の質よりも、面接の運営管理のほうに意識がいってしまいます。これも評価の質を下げる遠因になります。
こうして書き連ねてみると、安易な導入では、メリットよりもデメリットの方が大きいように思います。
一方で、適切に工夫を試みれば、メリットを享受しつつデメリットを最小限に抑えるというやり方も可能だと思います。
なお、今まで述べてきたメリット・デメリットは、大手・中小といった企業規模により変化するものではないと考えています。ただし、企業によって「優先すべきこと」は、異なってくると思います。
自社が今注力すべきは、メリットに挙げたようなことを享受することなのか、はたまたデメリットに挙げたようなことを発生させないことなのかということを、自社の現状を鑑みて、検討を続けていただければと思います。
導入前に、社内における採用の優先順位を考慮しましょう。
面接を工夫することで、応募者への評価の質を改善できないかどうか、常に検討を重ねる姿勢はとても大切だと思います。
以下に一般的なグループ面接(※) を行った場合のメリット、デメリットを述べていきます。
(※ 例えば面接官1人から2人に対し、応募者が4人程度、30分から40分の面接時間の中で、一人ずつ質問をしていく想定のグループ面接です)
【グループ面接のメリット】
・短時間に多くの人数を評価できる
大手企業がグループ面接を導入しているイメージがあるのは、大量の人数を短時間でさばくイメージがあるからかと思います。 確かに、短時間で多くの人数を評価することは、全体の選考プロセスを短縮することにもつながります。 実際、応募者へ内定をスピーディに出すことと、内定の受諾には相関があるという分析もあります。
・相対評価がしやすい
複数の応募者の回答や話し方を同時に観察できるので、グループ内の順位付けがしやすいといえます。 デメリット項目のほうで述べますが、一般的には、これが全体の評価にブレを生じさせる原因となっており、面接官には極めて高い評価スキルが求められます。
・ドタキャンなどに対応しやすい
個人面接では、学生が急に面接をキャンセルすると、空き時間が発生して面接官を依頼していた社員に迷惑がかかったりすることがあります。 しかしグループ面接では、仮に4人の応募者が3人になっても、予定通り面接を運営することができます。
・評価方法を工夫できる
例えば、「考えがまとまった人から発言してください」というような指示や、「今から5分間差し上げるので、~について意見を出し合って、4人の意見をまとめてもらえませんか」というような指示をすることで、主体性や、個人面接では確認しづらい他者との関わり方 (コミュニケーション能力)を直接観察することが可能です。
以上のようなメリットを享受することが、社内的に優先順位が高いという場合は、グループ面接の導入を検討してもよいでしょう。
一方で、グループ面接の評価方法について細かく考察してみると、その運用は個人面接よりもかなり難しいことがわかります。 導入を検討される際には、これから述べるデメリットについて、適切に対処する必要があります。
【グループ面接のデメリット】
・絶対評価を行いづらい
先ほど相対評価が行いやすいと書きましたが、その反面、デメリットとして、そのグループで最も優秀に見えれば合格になってしまうという現象が起こりがちです。 本来、選考で優秀な人材を残すためには、各応募者に対して絶対評価を行い、全応募者の序列を勘案して、上位から合格にする努力が必要です。
そうした場合、グループ全員が合格だったり不合格だったりしても不思議はないのですが、現実には、 グループごとに1、2名の合格を出すという安易な作業になってしまいがちです。 私の見立てでは、グループ面接を導入している多くの企業において、この評価ブレが起こっています。
・応募者の不平不満が生じやすい
グループ面接では、個人面接よりも一人当たりの発言時間が少なくなります。 それゆえ、しっかりと話を聞いてもらえたという印象を与えることが難しくなり、「話せる時間が短くて、言いたいことが全部言えなかった」という感想につながりがちです。
また、「一人すごくおしゃべりな人がいて、ペースをかき乱された」「周りが理系の院生ばかりだったので委縮してしまった」など、グループのメンバー構成が自分に不利に働いた、という不満もよく発生します。
不平不満を抑えるためには、応募者全員の発言量を揃え、組み合わせも配慮する必要があります。 しかし、これらは評価の質を高めることには何ら関係の無い、本来しなくてよい作業なのです。
・一人に突っ込んだ質問がしづらい
評価に必要となる質問と回答のやり取りの量は、応募者によって異なります。 すぐに評価ができる応募者もいれば、突っ込んだ質問が数回必要な応募者もいます。また先ほど述べた理由で、グループ面接では一人だけに突っ込んだ質問はしづらいものです。結果、もう少し質問をすれば優秀だと判断されたかもしれない学生も、不合格になるといったことが起こります。
・一人に惹きつけ施策を展開できない
面接の場は、もはや評価だけの場ではなく、惹きつけの場でもあります。個人面接では、優秀だと判断した応募者には惹きつけ施策を実施できますが、グループ面接ではそれができません。私はこれがもっとも大きな問題だと思います。
・時間コントロールが難しい
グループ面接は、個人面接に比べると一回の面接の時間コントロールが難しく、面接官に余計な負担をかけます。慣れていない面接官の場合、評価の質よりも、面接の運営管理のほうに意識がいってしまいます。これも評価の質を下げる遠因になります。
こうして書き連ねてみると、安易な導入では、メリットよりもデメリットの方が大きいように思います。
一方で、適切に工夫を試みれば、メリットを享受しつつデメリットを最小限に抑えるというやり方も可能だと思います。
なお、今まで述べてきたメリット・デメリットは、大手・中小といった企業規模により変化するものではないと考えています。ただし、企業によって「優先すべきこと」は、異なってくると思います。
自社が今注力すべきは、メリットに挙げたようなことを享受することなのか、はたまたデメリットに挙げたようなことを発生させないことなのかということを、自社の現状を鑑みて、検討を続けていただければと思います。