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2019/09/04

業務を「一般化」して考える大切さ。~インターンシップを活用して、社員の思考力が育成できる?~

辻 太一朗(つじ・たいちろう)
(株)リクルート人事部を経て、1999年(株)アイジャストを設立。
2006年(株)リンクアンドモチベーションと資本統合、同社取締役に就任。
2010年(株)グロウス アイ設立、大学教育と企業の人材採用の連携支援を手掛ける。
また同年に(株)大学成績センター、翌11年にはNPO法人DSS (大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会) を設立。
採用に関わる多くのステークホルダーを理解しつつ、採用・就職の"次の一手"を具体的に示すことに強みを持つ。

イントロダクション

こんにちは。
採用ナビゲーターの辻太一朗です。

20年卒の学生への内定もいよいよ出そろってきた企業もあるかと思います。

また21年卒へ向けた夏季インターンシップを行った企業も多数あったでしょう。

私の会社も数年前から学生のインターンシップを受け入れています。

ありがたいことに今年は、1週間に最大5名のインターンシップを6週間にわたって実施して合計28名の学生が参加してくださいました。

このインターンシップ、学生たちにとってはもちろんのことですが、うちの社員にとっても非常に有益な経験を積めるチャンスだと考えています。

今回は当社を例にあげて、インターンシップを通した学生や社員の育成に役立つポイントについて、お話しいたします。

これから控える冬季インターンシップや今後に活かせるようなヒントとなればうれしいです。

 

インターンシップに来た学生に学んでもらうこと

当社インターンシップに来た学生には、全国の大学で毎年発行されている講義履修内容一覧(シラバス)のチェックを担当してもらっています。

このシラバスチェックは当社にとって非常に重要な作業なのですが、それ以前に学生たちにとって、世の中に出るためのファーストステップであると踏まえています。

単純な作業ではありますが、仕事のとらえ方を学ばせるためにはこのルーチンワークが効果を発揮します。

実務の後、30分から1時間ほど時間を設けて、学生たちにその日一日の振り返りを行います。

その中でそれぞれが気づいたことや、改善点、それらに対する具体的な解決策を学生自らに考えてもらっています。

5日間1セットのインターンシップで、おおよそ以下のような流れです。

  • 1日目・次の日の目的を考える。
    2日目・業務スピードを上げる。
    3日目・業務の精度や正確性を高める。
    4日目・これまでの積み重ねから、新たな価値を見出す。
    最終日・グループで更にデータの活用方法を考える。

といった流れで業務に取り組み、その日の振り返りを通して翌日に活かします。

この振り返りの意図としては、どうすればよくなるかを学生たち自身に考えさせて、仕事に対する姿勢や考え方を身につけてもらうというものがあります。

そして、業務に対して自分で考えて意図的に向上させていくことが、学生たちの思考力の向上にも直結すると思っています。

毎日違う業務をしていると効率が悪くなるので、同じような業務を繰り返すことが結構重要だったりします。

この繰り返しの中で、意図的に業務効率化を実現していく人と、そうでない人では成長スピードが圧倒的に違うことがわかります。

実際にインターンシップを通して「ブラッシュアップを意識するようにしてね」と促すと、実際の結果にも大きな変化が出るので、「単純作業でも意図が大切だと気づかされた」などといった感想をもらうことが多いのです。

 

学生の学びを後押しするための、社員に必要な「思考力」とは

しかし、自分で意識して業務スピードを上げる学生もいれば、自信を持てずに行動に移すことができない学生も一定数はいます。

同じ作業を繰り返すシラバスの調査では、例えば各大学の「情報システム論」の授業を探す場合、最初はすべてのシラバスを丁寧に読んで探していくのですが、慣れてくると自分の頭の中に「情報システム論のシラバスに書いてある共通の語彙」のデータが蓄積されてきて、目検でさっと判断できるようになります。

なかなか業務スピードの上がらない学生を見ていると、この目検判断のレベルが他に比べて低く設定されていることがあります。

そういったときに、業務スピードを上げるためのテクニックや考え方を教えるのが、インターンシップを担当しているうちの社員の大きな役割となります。

ただし、普段は学生とあまり関わっていない社員ですので、初めのうちは学生に対して「シラバス本体を隅から隅までチェックすることはないよ」というように、具体的な方法論でのアドバイスをしているので、私から社員に対して「それではただの業務指導になってしまうよ」と注意することがあります。

ではどういった接し方をすれば業務指導にならないのでしょうか。

私は「学生に話すときはまず業務内容を一般化することが重要である」と話しました。

自分の問題を一般化することで、学生にとっても実のある内容にすることができます。

例えば先程話した業務スピードの場合であれば

  • ・業務スピードの速い人は、そうでない人と何が違うのか。
    ・業務スピードに影響するポイントはいったいどこなのか。
    ・重要なポイントはいくつあるのか。
    ・その中で最も大切なのはどこなのか。

こうして業務の一番影響が大きい部分を探し、そこから改善点を見つけていったあとで「うちの業務だとここがそのポイントになる部分でね…」といったアドバイスを意識するように促していきます。

ちょっと難しい言い方になってしまいましたが、一般化することで、学生にとってはアルバイトや社会に出た後でも、意図的に業務の効率化を応用できるようになります。

また、当社社員にとっては業務を俯瞰する機会を設けることで、思考力や柔軟性、多面的に物事をとらえる力の育成にもつながると思っています。

 

「一瞬で」質問を一般化することは、訓練すれば習得できる!

以上のように、他者からの質問を俯瞰し、その内容を一般化して更に分解していくといった一連の思考は、実はどの人も日常的にやっているんですよね。

しかし、ここで大切なのは一般化して分解し、相手に伝えるという流れを「瞬時に」行うことです。

これは少々無理に訓練をしないと、なかなか伸びない力だと思います。

裏を返せば、しっかりと訓練することで、誰もが伸ばすことのできる能力かもしれません。

私もリクルート時代、先輩に何かを伝えるとき「なんでそうなったんだっけ?」「どうしてそういう結果になるの?」「他に方法は?」などと、日常の業務を通して思考の分解を迫られていました(笑)。

当時は先輩から矢継ぎ早に質問される度に頭を抱えていましたが、その後たくさんの方と接する機会が増えた今、思い返すと「すごいな」と思う人はだいたい同じような思考を持ち、答えるスピードが速い気がします。

当社でのインターンシップは、学生と直接交流することで社員一人ひとりにこの力を身につけるためのよい機会となっているのです。

読者の皆さんの中には、インターンシップの担当になるとつい身構えてしまうという方や、毎年担当して慣れている社員にお願いしてしまうという方もいらっしゃるかと思います。

ですがインターンシップを、「学生が学ぶ場所」だけではなく「社員の自己成長の機会」という風にとらえ、社員育成の場としても有効に活用してみるのはいかがでしょうか。

今月もお読みいただきありがとうございました。

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