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2020/01/15NEW

インターンシップがもたらす、採用広報戦略の変化-学生の就職活動の変化に柔軟に対応するために-

小宮 健実(こみや・たけみ)
1993年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。 人事にて採用チームリーダーを務めるかたわら、社外においても採用理論・採用手法について多くの講演を行う。さらに大学をはじめとした教育機関の講師としても活躍。2005年首都大学東京チーフ学修カウンセラーに転身。大学生のキャリア形成を支援する一方で、企業人事担当者向け採用戦略講座の講師を継続するなど多方面で活躍。2008年3月首都大学東京を退職し、同年4月「採用と育成研究社」を設立、企業と大学双方に身を置いた経験を生かし、企業の採用活動・社員育成に関するコンサルティングを実施。現在も多数のプロジェクトを手掛けている。米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。

イントロダクション

皆さん、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。

今年もよろしくお願いいたします。採用・育成コンサルタントの小宮健実です。

今年はオリンピックもあり、話題豊富な一年になりそうですね。
夏に向けて、ますますにぎやかさを増していくことでしょう。
私自身もとても楽しみにしています。

さて採用活動に目を向ければ、オリンピックのような派手さはないものの、こちらも毎年少しずつ変貌を遂げています。

そうした変貌を、自社がきちんと意思を持ってリードしているのか、それともとにかく周囲の動きに合わせているだけなのかによって、採用力には大きな違いが生じてきます。

具体的に言えば、インターンシップや今後実施する企業説明会などを、単にイベントを打つという感覚でいると、学生の気持ちを捉えられないことになります。

私たちが行う一挙手一投足を見て、学生は反応し、活動しています。
ここからの数カ月は意思を持って施策を実施し、その反応をつかんで柔軟に施策に反映していくことが求められます。

そこで今回のコラムは、この時期の学生の状況を踏まえて、インターンシップ~採用広報活動時期の成功の鍵について考えていきたいと思います。

では、さっそく始めていきましょう。

インターンシップがもたらしていること

現在の状況を簡単にまとめるならば、学生の就職活動はインターンシップを中心に回っていると言えるでしょう。

インターンシップに参加して社員と親しい関係になっているという友達が、誰でも周りに2,3人いるような状況だと思います。

学生は、インターンシップに参加して企業と親和的な関係があると「順調に就職活動が進んでいる」と認識し、逆にインターンシップに参加したことがなかったり、参加しても時間が短かったり説明会的だったりして交流がないと、「まだ就職活動は進んでいない」と考えています。

インターンシップに参加していない学生は、緊張や不安に駆られつつ「そうした友達がうらやましい。自分の就活は遅れている。自分もどこかの企業と親和的な関係を持ちたい(持たなくてはいけない)」と思っています。

この状況は、数年前とはかなり異なります。

業界や企業を「研究すること」から始まっていた学生の就職活動が、今ではまずどこかの企業のインターンシップに「参加すること」から始まっています。

ただし、インターンシップは、現実的に参加できる数は極めて少数です。
それはつまり学生の就職活動が「広く浅く」から始まらず、「狭く深く」から始まっていることを意味しています。

インターンシップが知られる機会を奪う?

では、このようなインターンシップ中心の就職活動に対して、私たちは春先以降の採用活動をどのように考えていけばいいでしょうか。

まず直接的に影響を受けるのは、採用広報の形です。
「広く浅く」ではなく「狭く深く」に対応していくことが、まず考えなくてはいけないことになります。

特に、そもそも学生からの認知度の低い企業は、学生が「広く」知ろうとするアクションの減少により、採用活動自体が不利になる可能性があります。

採用広報活動では、接触があった学生をこれまで以上に大切にして、深く知りたいという思いに応え、親和性を構築していくことが求められるでしょう。

ちなみに、ここでいう親和的な関係ができている状態とは、個人に対して以下のような状態であることを言います。

・普段の学生生活を知っている

・個人に対して情報を発信(連絡)している
・名前で呼び、自分も名前で呼ばれる
・よく目線が合い、お互いに親近感を感じている
・キャリア形成について相談されたりすることがある

インターンシップを実施しない、もしくは実施はしたが学生とそれほど親和的な関係を構築していないという企業も多いと思いますが、採用広報活動では、一人でも多くの内定候補者と親和的な関係を築くことを目指しましょう。

繰り返しますが、学生は企業と親和的な関係になれなければ、その企業に対して就職活動はそれほど進展していないと捉えます。それはつまり自社から「心が離れやすい」ことを意味します。

狭く深い関係維持の鍵は「フィードバック」

採用広報活動を通じて親和的な関係を築いたら、次はそれを継続する努力が求められます。

その鍵となるのが「フィードバック」です。

フィードバックは、親和的な関係性を一歩進め、学生に「次に行うべき一手を示す」行為です。

つまりその内容の納得性が高ければ、学生が自分の 進むべき方向を意思決定することに対して、あなたが影響を与えられることになります。

多くの学生は、就職活動において「わからないことばかり」だと感じていて、個別の具体的なフィードバックを歓迎する状態にあります。

つまり就職活動の様子を聞くだけでも、さまざまなフィードバックの観点を見つけ出せるはずです。

ただ、能力の高い学生ほど、質の高いフィードバックを求めていることも事実です。
こちらも真剣に向き合わないと、むしろ逆効果になることもあります。

フィードバックの質を高めるには、「問いかけ」を効果的に用いるとよいでしょう。

学生が何か不安に感じていたり、悩んでいたりすることについて、「どのような支援(情報)があれば、それを自分で解決できそうか」ということを問いかけ、その情報提供を支援するというのが基本型になります。

新しい学生との接触には「差別化」情報を

今後、すでに他社のインターンシップに参加しているような学生と接触する際には、「差別化」のための情報を用意しておくことが成功の鍵になります。

「差別化」のための情報とは、他業界や競合他社との違いがわかる情報のことを指しています。
この時期にそうした情報が大切になるのは、まさしく最近の就職活動の特徴だと言えます。

以前は 、学生は業界研究や企業研究で、それなりに企業ごとの違いを頭で理解してから就職活動に臨んでいたものが、今ではそれが脆弱です。

インターンシップ生を募集している企業の中から1社を選び、その1社についてのみ深く知っているという状態の学生が少なくありません。

そのため、多くの学生がこのタイミングになって、「ほかの業界や会社のことを全然知らないので、ほかにも視野を広げたい」と考えているのです。

また、インターンシップのコンテンツは、実際のビジネスを抽象化してプログラム化しているので、学べることは職種の概要、ビジネスモデル、課題解決のアプローチ、企画づくりのフレームだったりします。

つまり、それらの多くは他社でも通じる内容であることが少なくありません。
そのために、学生は後から参加する企業のインターンシップに対して、同じようなことを言っていると感じがちです。

そこで必要になるのが、他業界、他社と差別化するための情報提供というわけです。

「差別化」の情報を上手に提供したり、考えさせたりすれば、他社で体験したインターンシップの内容を自社のビジネスの説明に流用することも不可能ではありません。

いずれにしても、個々人の対応を強化し、十把一絡げに扱わないことを肝に銘じておくべきだと思います。

今回は学生の状況を踏まえ、インターンシップ~採用広報活動時期の成功の鍵についてお話をしてきました。

ではまた1カ月後にお会いしましょう。
今後ともよろしくお願いいたします。

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