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2016/09/28

早期母集団形成のねらい目は、就職活動への意欲が「低い学生」?

曽和 利光(そわ・としみつ)
1995年(株)リクルートに新卒入社 、人事部配属。
以降、一貫して人事関連業務に従事。採用・教育・組織開発などの人事実務や、クライアント企業への組織人事コンサルティングを担当。リクルート退社後、インターネット生保、不動産デベロッパーの2社の人事部門責任者を経て、2011年10月、(株)人材研究所を設立。現在は、人事や採用に関するコンサルティングとアウトソーシングの事業を展開中。

イントロダクション

こんにちは。組織人事コンサルタントの曽和利光です。

今回は、採用活動が本格的に始まる一歩手前の、早期の母集団形成における注意点について記してみたいと思います。

少子化や景気などの影響によりここ数年は採用難の」時代に突入しているわけですが、その結果、インターンシップなど学生と早期に接触する機会を持つことで採用ブランドを向上させ、最終的な本採用に好影響を与えようとする企業が増えています。

何らかの施策・イベントを早期に実施することはもちろんプラスです。しかしながら、多くの企業さまから実際にお伺いするのは 「昨年開催した夏や秋の早期イベントには採用したい学生が大勢参加してくれてそれなりに成功だったと思うが、その後採用に何らかの好影響があったかというと、実はそれほどでもなかった」 というような声です。つまり、 「労多くして益少なし」 というわけです。

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。

私の見解は、 「就職活動への意欲が高い学生」 ばかりを集めてしまっているから です。

「意欲が高い学生」 とは、就職活動に対するやる気が満々で、活動意欲も旺盛で、企業が催すさまざまなイベントにもどんどん参加するような学生です。そして、企業が魅力的なイベントを企画し大々的に宣伝した際、いち早く反応する学生の多くも彼ら彼女らです。

このような学生が多く集まったにもかかわらず後の採用活動にあまり好影響が出ないのは、一体なぜでしょうか。

意欲が高いこと自体は、当然ながら問題ではありません。言うまでもなく就職活動は人生において大切なことなので、それに一生懸命取り組む姿勢が問題となるはずもありません。 「意欲が高い学生」 群の中から、採用したい人材もたくさんみつかることでしょう。

ただ、 「意欲が高い学生」 は一般的な傾向として、採用ブランドや学生からの応募が多い企業を第一に目指している場合が多く、活発な就職活動の中で早期にそれらの内定を得、自らの意思決定をして早々と採用市場から消えていってしまう傾向があります。

つまり、せっかくコストをかけて早期にイベントを開催しても、本選考を実施する頃には、彼ら彼女らはすでに市場からいなくなってしまっている可能性があるということです。

「意欲が低い学生」は狙い目?

今から申し上げることは、もしかすると 「逃げ」 の戦略と思われるかもしれません。しかしそういう思いは毛頭なく、私はむしろ 「攻め」 だと思っています。

その戦略とは、就職活動への 「意欲が低い学生」 をできるだけ集めるということです。逆にいえば、 「意欲が高い学生」 にはなるべく会わないようなプロモーション方法をあえて取るということです。

大前提として、就職活動への意欲の高さ・低さと自社に適した人材かどうかは関係なく、それぞれ独立した要素です。

この採用難時代に現実的な戦略を考えるのであれば、 「意欲が高い」 群の中から自社に適した人材を探しアプローチする 「前」 に、 「意欲が低い」 群の中から探し、アプローチすることをおすすめします。その上で余力がある場合にはもちろん、前者の群にもアプローチすればよいでしょう。

「意欲の低い学生」 とは、文字通り就職活動というものにそれほど積極的ではない学生ということですが、この中には、就職活動以外に自分のやりたいことがあり、そこにエネルギーのほとんどを注ぎこんでいるような学生もいるはずです。

例えば、学生生活を体育会やサークル活動に賭けているような学生です。彼ら彼女らは就職活動に対する意欲が高くはないかもしれませんが、前述の通り、意欲と自社に適する人材かどうかは別物ですから、採用ターゲットとして当然狙うべきでしょう。

「意欲が低い学生」 を狙うことの利点は極めてシンプルで、 「競争相手が少ない」 ということです。

採用難時代だからこそ少々視点を変えて、そうした学生の中から自社に適した人材を見つけることに注力してみてはいかがでしょうか。貴重なコストをかけて早期にイベントを実施する際にも彼ら彼女らをターゲットとすることで、より実りの多い結果につながるのではないかと思います。

「意欲が低い学生」 との出会いかた

意欲が低い学生は狙い目であると記してきましたが、難しいのは、どうやって出会うかです。 「意欲が低い」 ゆえに、一般的な採用活動をおこなっているだけではなかなか出会いにくいという傾向があります。

では、なにができるでしょうか。

一つのポイントは、逆接的に聞こえるかもしれませんが、 「これまでの採用活動から離れてみる」 ということです。

例えばインターンシップを企画する際には、定番ともいえる 「自社の仕事体験」 のような内容にしたくなるかと思います。

そうした企画を望む学生もいるのでそれ自体が問題というわけではないのですが、 「意欲が低い学生」 にはそれらが魅力的な企画として映らない可能性があります。

彼ら彼女らには、そのような自社のPRに直結するような企画よりも、まずはとにかく 「学生にとって面白くてためになる機会」 を提供できる企画を実施するほうがよいでしょう。あえて、自社との関係は二の次にしたテーマの企画にするのです 。

例えば、 「観光地として、湯河原が熱海や箱根に勝つにはどうすればよいか」 を考えてもらうコンテストや、学生に人気のあるオピニオンリーダーと社会問題について語り合えるというようなことです。

すると、意欲が低い学生でも自然に 「面白そうだからやってみたい」 という気持ちになるものです。

遠回りに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、就職活動への意欲が低いということは、会社選びの基準や将来目指す方向性が定まっていない可能性も高いものです。そんな状態の学生たちを惹きつけるためだからこそ、こうした企画が有効なのです。

学生たちの意欲がどのような状態であれ、 「まずは来てもらう」 ということは、大変重要なことです。

もう一つのポイントは、プロモーション方法を 「スカウト型」 にするということです。

広域的な採用広報をおこなって学生からの応募を待つのではなく、内定者や新人からの紹介 (最近では 「リファーラルリクルーティング」 という言葉がややバズワードになっていますが、古くからある方法です) によって学生を集めたり、WEB‐DMやSNSメディアなどを利用して、特定の学生に対して企業側から進んでアプローチしたりするということです。

リクナビのような就職サイト経由で集めた学生でも、電話などを用いて企業側から積極的な案内をおこなえば、似たような効果が期待できます。



以上、 「意欲が低い学生」 をターゲットとするメリットとその方法を記してきました。

あらためて申し上げますが、 「意欲が高い学生」 をターゲットとすべきではない、ということではありません。

この採用難の折、一般的に各社から引く手あまたな対象となり得る 「意欲が高い学生」 が比較的採用しにくい現実がある以上、 「意欲が低い学生」 をターゲットとするほうが、成果が出しやすいのではないかということです。

そして、これは決して採用活動のレベルを下げることにつながるものではありません。あくまで、自社に適した人材に効率よく出会うための採用戦略です。

ぜひ、皆さんの企業でもご検討いただければと思います。

 


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