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2014/08/19

『新卒採用セミナー』ダイジェスト<前編>―2015年卒採用の中間報告―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。就職みらい研究所所長の岡崎仁美です。

いつもよりやや長く感じられた梅雨も明け、いよいよ夏本番となりました。
リクルートキャリアでは、今年も6月より日本全国主要都市における『新卒採用セミナー』を実施しました。

現行スケジュール3年目となる2015年卒採用戦線は、折からの景気回復の影響を受け、潮目が変わったと実感されている方も少なくないことと思います。
本セミナーでは、そうした皆様の“実感値”を裏付けるような定量データを用意し、提供しています。
また、“さらなる後ろ倒し”が適用される2016年卒戦線の展望についても言及しました。

お忙しい中、セミナー会場に足をお運び頂いた皆さん、あらためまして、本当にありがとうございます。
一方、今年は例年以上に現在の採用戦線が長引いており、ご参加が難しかったという声も聞こえています。

そこで今年も『新卒採用セミナー』ダイジェストを、このコラムにてお届けします。

昨年同様、前後編の二回に分け、前編では、2015年卒の中間報告について述べてまいります。


■表1: 調査概要

※調査結果をご覧いただく際にご注意ください。
 ・%を表示する際に、小数点第2位で四捨五入している点、学生調査についてはウェイトバック集計を行っている点の影響で、
  %の合計が100%にならない場合がございます。
 ・「内定」は「内々定」を含みます。

セミナーはやや前倒し、内々定出し開始は4月に集中

2015年卒の採用戦線を振り返る前に、まずマクロの需給バランスについておさらいしておきましょう。

2015年卒の大卒求人倍率は、90年代後半から10年近く続いた“就職氷河期”を脱したとされる2006年卒水準の1.61倍にまで上昇しました。

この求人倍率は、従業員規模間・業種間でかなりの開きが見られ、その差は徐々に拡大する傾向にあります。
つまり、需給バランスだけで見れば、2015年卒採用は、採りにくい企業が一層採りにくい環境になったといえるでしょう。


■図1: 2015年卒大卒求人倍率 業種別
出所:ワークス大卒求人倍率調査


■表2: 業種分類マスタ
出所:ワークス大卒求人倍率調査


そんな中、2015年卒の採用スケジュールはどのように推移したのでしょうか?

6月に実施した『採用状況中間調査2014』における企業の回答をみると、「採用活動スタートの時期を早めた」と回答している企業は全体の34.5%にも上っており、昨年同時期より6.3ポイント増加しています。
これらから、2013年卒からの新スケジュール適用以降、全体スケジュールを早める動きが年々加速していることがわかります。

またその背景は、「より望ましい人材の確保」が70.1%と最も高く、「2014年卒の反省」の50.4%、「採用人数の増加」の29.0%と続きました。
2015年卒戦線では、採用意欲の高まりを受け、自社の人材要件に合致している人材の争奪戦が激化することを予測し、企業がよりスピーディに動いたということでしょう。


■図2: 2015年卒の全体的な採用スケジュール
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出所:採用状況中間調査2014[速報版]


この採用スケジュールの傾向を、さらに個々のプロセス毎に見ると、2つの変化が確認できます。

1つは「説明会・セミナー」の開催開始時期。
ピークは2月と、前年と同じですが、12月・1月に開始する企業の割合が若干増え、その分、5月スタートの企業が減っています。


■図3: 採用情報提供、説明会・セミナーの開始時期
出所:採用状況中間調査2014[速報版]


もう1つは「内々定・内定出し」の開始時期。
これを4月と回答した企業が、2014年卒では40%弱だったのが、2015年卒では45%程度に上昇しました。
つまり、4月集中傾向がより強まっていたのです。
また、3月と回答する企業も5ポイント弱アップしており、いわゆるフライング企業が昨年に比べて増加したこともわかります。


■図4: 内々定・内定出しの開始時期
出所:採用状況中間調査2014[速報版]


説明会開催数は昨年比1.4倍に拡大、各社とも動員に苦戦

昨年と比較して、より変化がハッキリと確認できるのは、説明会の開催件数です。

2015年卒の説明会開催総件数は、2014年卒の約1.4倍にまで拡大しました。
特に、ピークの2月下旬をはじめ、1月中〜下旬、4月中旬あたりで、大きく伸びています。


■図5: 説明会開催件数の推移
出所:リクナビデータ


このように説明会開催総件数が拡大した要因は、1つは説明会を開催する企業が増加したこと、もう1つは1社あたりの説明会開催数が増加したことです。

図5の左端は、リクナビ上で全学生に予約受付を公開している企業の数を2014年卒と2015年卒とで比較したものです。
今年は、そもそも新卒採用を実施する企業数自体が、従業員数300人未満の中小企業を中心に増えているので、その分、説明会予約公開受付企業も増えたのでは?と考える方もいらっしゃるでしょう。
実際は、リクナビ掲載企業数も増えましたが、さらにその中で説明会予約を公開受付している企業の割合そのものも高まりました。
2014年卒の49%から、2015年卒では53%と、4ポイントのアップです。

1社あたりの説明会開催件数は、全体平均では昨年比+1.5件と、微増に見えますが、こちらは従業員規模が大きいほど伸びが顕著で、5,000人以上の超大手企業では、2014年卒の43.7件から、2015年卒では59.4件へと拡大しています。

相対的に集客力の高い超大手企業の説明会開催数が、前年比1.4倍に拡大したことの影響は大きく、今年多くの企業が、会社説明会の学生動員において、例年以上に苦戦を強いられています。

これは、学生が参加できる説明会回数には限界があるためです。
実際、説明会1件あたりの予約埋まり率は、昨年に比べて低下しました。


■図6: 説明会開催企業数・開催件数と予約埋まり率 (12月〜3月)
出所:リクナビデータ


このように、企業にとって厳しい傾向が高まる中、学生の就職活動の進捗はどうでしょうか。

7月1日時点の、大学生の就職内定率は71.3%(昨年比+6.3ポイント)と、かなりの高水準で推移しています。
大学院生(理系)については、既に90%を超えていますが、特に4月月間の伸びが極めて大きかったことも注目すべき点です。

実に就職希望者の45%が、内々定出し解禁の4月中に最初の内定を取得しており、「短期決戦」の様相が一層顕著であったことがわかります。


■図7: 大学生・大学院生(理系)の内定率の推移
出所:大学生の就職内定状況調査


学生の最後の決め手は「人」。複線的なフォローを

併せて学生の内定取得数も見てみましょう。
一人当たりの内定獲得社数は、2014年卒も2015年卒も「1社」が最も多くなってはいますが、「2社以上の複数社」である学生の割合は、2014年卒が31.4%だったのに対し、2015年卒では36.6%と、5ポイント強上昇しています。

これは、全就職希望者における割合であり、内定取得者のみに絞っていえば、7月1日時点で内定を持っている学生の2人1人以上が、複数の内定を取得しているという計算になります。


■図8: 大学生の内定取得数の割合 (7月1日時点)
出所:大学生の就職内定状況調査


一方の、企業における内定辞退の発生状況はどうでしょうか。
内定を出した人数の半数以上に辞退された企業は全体の17.5%と、前年の14.2%より3.3ポイント高くなっています。


■図9: 内定出し総数に対する内定辞退者数の割合 (6月1日時点)
出所:採用状況中間調査2014[速報版]


また採用終了企業の割合は、2014年卒に比べて2.7ポイント低下。
採用環境の厳しさがここにも表れていると感じます。


■図10: 採用終了企業数の割合 (6月1日時点)
出所:採用状況中間調査2014[速報版]


では、今後も採用活動を続行する企業に、まだチャンスは残っているのでしょうか。
7月1日時点の就職活動実施率を見ると、大学生の41.0%、大学院生(理系)の14.0%が、活動中であると回答しています。


■図11: 大学生・大学院生(理系)の就職活動実施率の推移
出所:大学生の就職内定状況調査


しかしこれらの数字はいずれも2014年卒と比べると低下しており、活動継続学生数の減少により、今後の説明会動員などはますます厳しくなると言わざるを得ないでしょう。

また、内定を保持しつつ就職活動を継続している学生も一定数存在します。
採用続行企業は、“採用したい人”を新たに獲得していくのと同時に、既に内々定を付与した学生へのフォローも必要となってきます。

こうした予断を許さない状況は、残念ながら10月の内定解禁まで続くと見るべきでしょう。

内定辞退を防ぐ、あるいは重複内定者に自社を選んでもらうための施策立案にあたって、ぜひ参照頂きたい情報があります。

複数社から内定を得ていた学生に、最終的に入社する企業と辞退した企業とを比較した際に最も重視した条件を尋ねると、「勤務地」や「業種」を抑えて「一緒に働きたいと思える人がいるかどうか」が最も高い回答率を得ました。


■図12: 入社予定企業の選択条件
出所:就職白書2014


内々定者にこうした基準での決断を促すためには、人事採用以外の部門の方々にも広く理解を求め、人事と学生の単線ではなく、現場の若手や経営トップも巻き込んだ複線的なアプローチを施すことが必要です。



ここのところ「深刻な人手不足事情」に言及する報道が目立ちます。
人事にとっては経営者のパラダイム転換を促すチャンスが到来しているともいえましょう。

これを機に、これまでの採用活動や雇用管理の在り方を見直し、激しい変化の下でも恒常的・安定的に人材を確保できる「真の採用力」を獲得して頂けたらと思います。
我々も一層尽力し、そうした皆様のサポートに努めてまいります。

ご意見・ご要望等ぜひお寄せください。お待ちしております。


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