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2013/09/17

真の採用力獲得のヒントは“試職”にあり!―「オープン」な情報発信と「リアル」な場づくりで、変わる採用戦線を勝ち抜く―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

『総括セミナー』において、「2015年卒・2016年卒の展望と『さらなる後ろ倒し』の真相」についてお届けしました。

その中で、

●前回(2013年卒〜)と今回(2016年卒〜)に大きく異なる点がある
●2016年卒以降は、「変化し続ける前提」の中での採用を迫られる
●どんな状況でも、自社の継続的成長の基盤となる人材を確実に獲得できる「真の採用力」が問われる
と述べました。

そこで今回は、今後の採用環境が大きく変化していく可能性のある今こそ、採用成功の原点に立ち返ってみて、「真の採用力をつける」にはどのようなキーワードで工夫をしていくことが必要か、『就職みらい研究所』の江田佳子主幹研究員が述べてまいります。

江田佳子プロフィール
1990年(株)リクルートに中途入社。以来一貫して人材関連事業に従事。営業・営業管理、商品企画等を経た後、経済産業省からの受託事業で海外インターンシップの企画運営を実施。以後、大学等へのインターンシップに関するコンサルティング等を通じて、その臨床的な研究を重ねている。

採用プロセスの重要度と改善余地から何が見えたか?

企業は、自社の持続成長を実現できる人材の量・質ともに満たす採用を、学生は、自分の強みを生かし活躍可能性の高い企業への就職を、実現したいと考えています。採用活動・就職活動を通じて、こうした双方の願いをかなえるためには、「相互理解と共感」をいかにつくり出していくか、 つまり、この「活躍可能性」を企業・学生双方が、どのように自覚し、活動に反映させられるかだと思っています。


■図表1


ここで、企業に各採用プロセスにおける重要度と今後の改善余地をうかがいました。

重要度が高いと回答した企業の割合が特に大きかったのが、「面接」「説明会・セミナー」「採用に関する情報提供」「内々定・内定出し」でした。 それらはいずれも「改善余地」も大きいと認識されています。企業は、なぜここに改善余地があると考えたのでしょうか?

それは、採用活動を通じて応募学生と接する中で、いかに「自社で働く意味や魅力、やりがいなどが伝わりきっていないか」を痛感する場面を、多く経験されているからだと考えています。 結果的に、採用したい学生がいても歩留まりが低下する、内定辞退が出てしまうなどを、実感されていらっしゃるかと思います。


■図表2:各採用プロセスの重要度と改善の余地


一方の学生は、そうした情報収集についてどのように実感しているのでしょうか。

学生に、就職活動中の情報収集において、「知りたいと思っていた情報」と「知ることができた情報」を尋ねたところ、知りたいと思っていたことのトップ3は、「具体的な仕事内容」「採用選考の基準」「企業が求めている具体的な能力・人物像」でした。


■図表3:就職活動中の情報収集で「知りたいと思っていた情報」と「知ることができた情報」


しかし、いずれも「知ることができた情報」の回答率とはギャップが大きく、特に「採用選考の基準」は、大きく開いています。また、「仕事のやり方・進め方」「社内の人間関係」「社員の会社への不満、会社の弱み」も同様の傾向です。社内にいるからこそ分かる「リアル」な情報を求め実感値を持つ、それを望んでいることがうかがえます。

現在は、情報の流通量が消費量の500倍に達するという情報過多の世の中です。

自分の手で企業の採用広報の中から得た情報以外にも、学生は友人や先輩たちから聞いた情報を取得しています。「信頼できる人からの情報」は、学生にとっては何より影響力があります。

企業が意図していなくても、誤解が生じる可能性が高い現状をふまえ、彼らが欲している「実際に入社したらどうなのか?」にリアリティを持てるような情報の発信が、より一層重要になると思われます。


学生の選社条件の変化から見える傾向は「一緒に働きたいと思える人」

学生の選社条件の情報を見てみましょう。ここでも、学生の意識の変化が見られます。青が就職活動開始直前の11月時点、緑が選考ピーク時期のものです。


■図表4:就職活動中の大学生が就職先選択時に重視した条件


活動前は、「業種」や「職種」「勤務地」などを企業選択の条件に挙げる学生が多いのですが、企業と実際の接点を持ち始めた4月時点では、際立って「一緒に働きたいと思える人がいるかどうか」が高くなっています。

就職活動を通し、さまざまな企業の情報収集を行ったり、実際に企業との接点を持ったりすることで、自分が働きたいと思える企業を「社員」を通して実感できることが、就職先選びの決め手になっていることが分かります。

この「一緒に働きたいと思える人がいるかどうか」を重視する傾向は、経年でも見られています。


■図表5:大学生が就職先確定時に最も重視した条件


こちらは、就職先確定時に最も重視した条件について、青が2014年卒、赤が2011年卒の調査結果です。2014年卒と2011年卒ともに、重視した条件の順位では「一緒に働きたいと思える人がいるかどうか」は2位、青の2014年卒では1位に迫る割合になっています。

仕事の進め方、社内の人間関係、社員の会社への不満や弱みといった、実際に働いてみないと分かりにくい情報を十分に収集できない中、 一緒に働きたいと思える人を通して企業を見ることで、自分自身へのフィット感、つまりは納得感を醸成しているといえます。

学生に十分には伝えられていないこれらの情報を、いかにオープンに、リアルな場で、学生たちに伝えることができるか? または、体感させられるか? これが、採用成功のための情報提供のヒントになるのではないでしょうか。

つまり、「企業の採用活動プロセスでの改善ポイント」と「学生の知りたい情報」「選社理由の変化」から見えたことは、学生自身が主体的に就職先を意思決定するためには、学生の就職活動中の意識の変化をとらえた上での「学生への情報提供」のコンテンツを見直すこと、「発信の場の工夫」が求められることだといえます。

情報をオープンに、リアルな「場」=「試職」で実感値を高める!

今後の大きな変化の中で、毎年確実に採用成功を実現するためには、

●氾濫する玉石混交の情報の中から、正しく自社を理解してもらうための情報のオープン化
●学生本人が、働くイメージを持ち得るためのリアルな情報提供

が望まれること、 そして、これらを実現するためのひとつの手法として、学生に対し仕事を体感させるような、試着や試飲ならぬ“試職”の機会の提供が有効になると思っています。「実際」を体感することで、単なる認知が理解、共感に変わる。ここで学生の心が動くのです。

例えば、実際に“試職”に取り組んでいる例をご紹介します。

営業職という仕事は、本当にさまざまなイメージがあります。実際に、「日々、顧客とどんなコミュニケーションを行い、どんな行動をしているのか」は伝わりにくいものです。

それを、採用選考プロセスの途中に「営業同行」を組み込み、実際に体験を通じて学生の理解を深める。特に、その企業で働く人たちとその仕事を見ることで理解が深まり、すぐに意思決定ができた好事例です。


●Case:営業同行プログラム


次は、ソフトウェア企業の事例です。

営業職と同様に、SE・プログラマーも実際にどれくらいのレベルの仕事を任せてもらえるのか、要望されているのか、企業ごとの特徴もあり違いがあります。それを、実際にその企業でのプログラミングを体験することで、学生は企業の技術力の高さを実感でき、また、実力を見てくれたことへの感謝の気持ちを持ち、入社への意思決定につながっています。


●Case:プログラミング体験実習


このような事例に共通することは、「誰から見ても、解釈が変わらないようなオープンな情報発信」と、「発信した情報に学生がリアル感を持てる」ことです。体感することで働く意味を心に刻める。そんな場づくりが、企業と学生の相互理解を生み出し、共感から入社動機へとつながっていると思います。


最後に

採用成功とは、自社への入社後活躍できる可能性の高い人材を、確実に確保していくことです。

そのためには、人材要件を明確化し、有効な母集団を効果的に集め、職務や組織に対する適応性を見極めることが必要です。ビッグデータの活用は、それを、今までとは次元の違う「スピード」と「マッチングの質」で実現し始めています 。

また、適性検査も、これから求められる人材要件を見据えて進化しており、時間をかけてコミュニケーションすべき人とそうでない人をスピーディに見極めることが可能になっています。

コミュニケーションにおいては、「オンライン」(Webセミナーなど)・「オフライン」(対面の説明会など)を使い分けることで、物理的な制約条件を超え、さらなる効果が狙えます。

これらの手段を有効活用しながら、採用ターゲットの学生に対し「働くことや企業の実際(リアル)」を共感に導くような情報提供とは何かを考え、全体設計して届けることが採用成功につながります。

採用戦線は、今後もあらゆる変数の中で、絶えず変化していくことと思われます。

そんな中でも確実に、よりよい人材を採用し、自社の継続的成長の基盤をつくるため、「真の採用力」を獲得する。私たちも、変わりゆく環境の中で、絶えず努力を重ねながら、企業と学生の相互理解と共感を促進し、「どんな状況でもきちんと採用できる」環境づくりや個別企業様の支援に尽力してまいります。

来る2015年卒で、採用力向上に関しての手ごたえを感じられ、2016年卒採用に万全の準備を整えられる。そんな取り組みに、ご一緒させていただければと思っております。


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