2013/02/26

圧縮スケジュールをどう乗り切る?―Webセミナー活用の最新事情―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

大学も春休みに入り、2014年卒学生採用広報活動もいよいよピークの時期となりました。

就職/採用活動のスケジュール変更元年の昨年度は、特に会社説明会動員に苦戦した企業が多く見られました。

その影響もあってか、今年の採用戦線では「会社説明会参加者数」を重視する傾向が強まっています。以前実施したアンケートでも、「もっとも参照している量的指標」として「会社説明会参加者数」を選択した企業が回答の51%にのぼり、「エントリーの数」の43%を上回りました(注1)
※注1:2013年2月18日時点

今年は学生も早々に“説明会シフト”をしている傾向が見られており、『リクナビ2014』における12月月間の説明会予約件数は、昨年比約1.5倍のペースで推移しています。

そんな中で、企業/学生双方の注目度が高いのが「Webセミナー」。ここ3年ほどで急速に拡大していますが、特に今年は、その利用方法に新たな展開が見られています。

そこで今回は、その「Webセミナー会最新事情」をレポートいたします。今後の採用戦略・戦術立案に多少なりともお役に立てれば幸いです。

「説明会動員」が焦点の2014卒採用における活用トレンド

リクナビでは2010年より、『R-Webinar』という名称で、企業の皆さまにWebセミナーを提供しています。

その利用実績を分析しますと、各企業の利用目的とそのタイミングは、下記ⅰ〜ⅳの4タイプに分類できます。




サービスリリース当初は、タイプⅱの利用が中心でした。それらは、さらに二分できます。

ひとつは「説明会参加者数の量を拡大したい(『R-Webinar』では、1回あたり2,000人の参加が可能)」「説明会運営のオペレーションコストを下げたい」といった、主に効率化を目的としたもの。

もうひとつは「通常の説明会では難しい海外大生との接点をつくりたい」「ある地域や学科の学生に、説明会参加の敷居を下げて接触したい」といった、特定のターゲットに対するアプローチを目的としたものでした。

実は、サービス提供側の私たちとしては、リリース当時の環境要因から「効率化」目的が主流になるのではないか、と考えていたのですが、フタを開けてみると「新たなアプローチ手法」としての活用ニーズがかなり高いことが分かりました。

そして“圧縮スケジュール”の昨年度から急速に目立つようになった利用がタイプⅰです。

「12月にエントリーしてくれた学生を、3月の説明会にいざなうのが難しい」「ターゲット学生群は、エントリーはしてくれるようになったが、説明会にまでは来ない」という課題を持つ企業にとって、夜でも参加できる・家からでも参加できるWebセミナーは、まずは接点を持ち、説明会参加への動機付けをする手段としてリーズナブルであるようです。

またWebセミナーの中でも、リアルタイムでの双方向コミュニケーションが可能な「Live型」は、単に参加の敷居を下げて接点を増やすだけでなく、採用が難しいターゲット層ならではの関心事や疑問に答えるといった形で「対話」ができます。オンラインでは、通常の説明会では聞きにくいような質問も出やすく、学生の不安払拭・動機付けに効果を発揮しています。




Webセミナーの具体的な活用事例

具体的な活用事例をご紹介しましょう。

X社は都内にある酒販会社。従業員数は約60名で、毎年5人前後の新卒採用を行っています。

採用にかけるパワーやコストが潤沢なわけでは決してなく、でも「今年は徹底的に質にこだわった採用をしたい」という考えから、2014年卒採用でWebセミナーを初めて導入することになりました。

●実施内容
  • 会社説明会前にWebセミナーを2回実施
  • ・第1回(12月下旬):自社Webセミナー。業界の中での自社ポジションや、自社の事業内容・仕事内容を紹介
  • ・第2回(1月下旬):自社Webセミナー。仕事内容をさらに深く知ってもらうため、双方向コミュニケーションの時間を厚くした

●Webセミナー参加状況
  • 予約の6割にあたる約100名が参加。うち6割強が次回セミナーを予約
  • 顔が見えないということで本当に動機付けできるか、という懸念があったが、チャットの反響が非常に良く、手ごたえを感じられた

●会社説明会動員への工夫
  • 『R−Webinar』の録画をリクナビの人事ブログにアップし、エントリー学生にはメールで告知

●会社説明会動員状況
  • 会社説明会は50名枠を4回実施。そのすべてがわずか10日間で満席に
  • 2月上旬実施の説明会では参加者のほぼすべてが、次の選考への参加を希望する結果に

●会社説明会における昨年との違い
  • ・座談会での質問がひっきりなし
  • ・「御社に絶対に入りたい」と言う学生がいた
  • ・座談会での質問内容が「営業をやる上で重視していることは?」などレベルが高かった
  • ・業界研究が進んでいて業界を絞っている学生が多い印象
  • ・履歴書で目標が明確に書かれている
  • ・見た目も「営業マンらしい!」という好印象な学生も見られた


X社にとって、Webセミナー導入は今年度からの試みであり、最終的な成果を検証するには、まだ至らないわけですが、現在のところでは「強い手ごたえを感じている」とのこと。その理由は「とにかく楽しかったから」だそうです。

通常の説明会では見えづらい学生側の不安や心の動きが、Webセミナーの双方向コミュニケーションを通じて手に取るように分かったことが、採用担当者の自信につながっているようです。

クイズ?事前課題? 説明会動員増に効く開催形態は?

この事例のように、Webセミナーは、会社説明会の代替(前述タイプⅱ)ではなく「補完」として用いられるようになってきているのですが、それに伴い開催形態のバリエーションも広がっています。




会社説明会の代替(タイプⅱ)の場合は「A:レクチャー型」が中心で、「D:ロールプレイング型」や「F:ワーク型」も多少見られていますが、タイプⅰの用途が広がるに伴い、「B:質疑応答型」や「C:クイズ型」「E:事前課題FB型」が登場。「D」や「F」も目立っています。

こうした開催スタイルは、「目的」×「ターゲット学生の思考・行動」×「企業の採用力」に合わせて選択する必要があります。私たちも、これまで『R-Webinar』のご提供を通じて、これまで延べ230件のWebセミナーの企画・運営を行ってきた知見を踏まえたサポートをしていく所存です。

我々は今後も、こうした最新事例を積極的にご紹介しつつ、この『採用ナビGATE』や担当営業を通じて旬な情報も逐次提供し、皆さまの採用成功にしっかりと伴走してまいります。

 

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