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2012/08/21

2013年卒採用戦線・早分かり 総まとめ―2013年卒採用戦線の中間考察と2014年卒採用の展望―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

5月から3回にわたって、2013年卒採用戦線の概観を、調査やインタビューなどの結果を用いながらお伝えしてきた「2013年卒採用戦線・早分かり」。

今回はその総まとめとして、「2013年卒採用戦線の中間考察と2014年卒採用の展望」をお届けします。これは7月中旬より日本全国各地にて計66回開催の、弊社主催「新卒採用総括セミナー」のダイジェスト版です。

“超大手”と“準大手”の間に現れた分水嶺

リクルートでは、このスケジュール変更下において企業の現場で何が起きたのかを検証すべく、今年の6月1日時点の状況に関する『採用状況中間調査』を実施いたしました。

それによると、各採用プロセスの実施時期が2012年卒との比較として「遅い」と回答した企業が7割を占めたのは、「情報提供の開始」と「エントリー受付」の2つでした。


【図1】採用プロセスごとの実施スケジュール(2012年卒との比較)


これを従業員規模別に見ると、300人未満の中小企業では5割弱、300〜999人の中堅企業では7割超、1,000人以上の大手企業では8割超に至っています。

一方、説明会・セミナー以降のプロセスにおいては、6割前後の企業が「2012年卒と同じ」時期に実施したと回答しており、ここには従業員規模や地域などによる差はあまり見られませんでした。

つまり、採用広報時期の後ろ倒しに伴い、エントリー受付の開始時期は遅くなったものの、その後のプロセスで“巻き”を図り、以降は昨年並みに進めたというのが一般的な姿であったといえましょう。

またこの「時期」の変更は、各採用プロセスにおける接触人数にどのような影響を与えたのでしょうか。同じ調査の回答によると、適性検査・筆記試験以降といった、いわば企業側の意思によってある程度参加人数をコントロールできるプロセスについては、5割前後の企業が「2012年卒並み」としています。


【図2】採用プロセスの学生参加人数増減


これには従業員別の差に特徴があります。

1,000人未満の中堅・中小企業においては、5割前後が「2012年卒並み」、「減少」と「増加」がそれぞれ2割強と、全体の平均値とほぼ同水準でした。ところが1,000〜4,999人の準大手企業と5,000人以上の超大手企業との間には逆の現象が見られるのです。

準大手企業は「2012年卒並み」が全体値より若干少なく、「減少」が3割前後と高めです。一方の超大手企業は「2012年卒並み」はやはり全体値より若干少ないのですが、「増加」が4割弱と準大手企業のそれよりも10ポイント近く高いのです。

また今年は、準大手企業の方々から、「例年以上に面接参加の歩留まりが悪化した」「内々定を出してもなかなか承諾の意思確認ができなかった」という声も数多く伺います。このような定性情報も鑑みると、採用広報期間の短縮によるエントリーの減少を採用プロセスごとの“歩留まり”向上で挽回するという方策は、超大手企業では比較的うまくいき、準大手企業ではそうならなかった傾向があるといえましょう。

また超大手企業は採用意欲を高めており、採用予定数必達のスタンスで動いていたというお話もよく伺うところです。

つまり今年の圧縮スケジュール下での採用活動において、超大手も準大手も同じような対策を取ったものの、超大手企業の「採用予定数増」「圧縮スケジュールの中で確実に採用予定数を確保するスタンス」「選考以降のプロセスにおける接触人数を前年よりも多くする方針」によって、その結果に差が生まれたということではないでしょうか。


学生の「中堅・中小志向」は本当に高まったのか?

次に学生の動きを見てみましょう。

2013年卒に関して、時々「学生の中堅・中小志向が高まった」という報道がなされていることは、皆さんもご承知のことと思います。

事実、リクルートが4月に発表した『第29回 ワークス大卒求人倍率調査(2013年卒)』でも、従業員数1,000人以上企業を希望する学生数21.3万人を、1,000人未満企業のそれ(22.2万人)が上回り、1,000人未満企業への就職を希望する学生数は過去最大となりました。


【図3】民間企業就職希望者数の推移(従業員規模別)


私は、大学における就職ガイダンスなどに参加させていただき、そこで学生の皆さんから就職活動に関する質問を受ける機会を持っています。そうした場面で、今年は「よい中小企業の見つけ方を教えてほしい」という声を非常に多く聞きました。問えば「私は中堅・中小志望です」と答える学生が増えていると実感することもしばしばです。

しかし、実際の行動はどうだったのでしょうか。

リクナビ2013上での学生アクションを分析すると、オープン直後のエントリーはやはり“人気”企業に偏る傾向が見られました。


【図4】エントリー数上位10%企業が総エントリー数に占める割合の推移


リクナビ全体のエントリーに占める、エントリー数上位10%企業(≒人気企業のエントリー数)は、2012年卒では60.1%、2013年卒では56.6%と、若干ポイントを下げたものの、依然高い水準です。この人気集中傾向は、例年、月が経るにつれ緩和されていきます。

しかし今年はオープンの翌月が年明け1月となったため、その緩和が十分に進む前に、セミナー・説明会などの企業と学生との直接接触期に突入することになったのです。

この、企業と学生の直接接触期は、例年でいえば新たな企業へのエントリーが進む時期でもあります。実際2012年卒の場合は、オープン後4〜6カ月目にあたる年明け1月〜3月に、エントリーの“もうヒトヤマ”が見られていました。


【図5】1社あたりの月別エントリー件数(同経過週比較)
 ※集計対象:グランドオープン時(2012年卒:10月1日、2013年卒:12月1日)にエントリーが可能だった企業


ところが2013年卒においては、その“もうヒトヤマ”が消滅するという現象が起きたのです。

例年は、学生が10月から就職先企業を見つけるための情報収集を始めても、本格的な企業との直接接触は年明け以降なので、それまでの期間は主に、当初興味を抱いた企業群を起点とした企業・業界研究に費やす傾向があります。

そして、興味を持ったA社を研究する中で、A社の同業のB社、取引先のC社、関連会社のD社……といった形で視野が広がっていき、年末年始から後期試験を経て、いよいよ“直接接触期”を迎えます。事前の企業・業界研究がなされているので、セミナーなどに足を運びつつ、別の企業へのエントリーも進めることができるということでしょう。

ところが今年は情報収集を始めてすぐに“直接接触期”を迎えたため、多くの学生はどちらかというと、興味を持ったA社の企業研究を進めるよりもまず、A社の選考プロセスに乗っていくことを優先する傾向がありました。そのため“直接接触期”における新たな企業へのエントリー行動が、例年よりも落ちました。

その結果、オープン後7カ月終了時点での累計エントリー数の対前年比は、企業規模によらす8割前後となったのです。

少なからぬ学生が中堅・中小企業に興味を持っていることは事実です。しかし、たくさんの企業の中から自分に合うところを探し出す選択眼が十分に養われていないため、活動当初は具体的なアプローチ先をうまく見つけられないという学生はまだまだ多いのが実態ではないでしょうか。

『ビッグデータ』の活用でエントリーの質を見える化

学生の動きに関して、今年はもうひとつ大きな特徴が見られます。それは志望業種・職種に関するものです。


【図6】就職を志望する業種(複数回答)

【図7】就職を志望する職種(複数回答)


本格的な選考が始まる前の3月のタイミングでは、例年志望業種・職種は人気が集中する傾向があります。業種では「食品」「金融」「商社」、職種では「事務・スタッフ」「商品企画・マーケティング」が、毎年この時期に多くの票を集めています。

しかし就職活動が進むにつれ、そういった業種・職種は自分には合わない、イメージと違った、残念ながら落ちてしまったという現実と向き合い、それらの選択率は徐々に下がっていきます。

例年は、それと同時に新たな注目業種・職種が登場するのですが、今年はそれが見られず、唯一、顕著に右肩上がりとなっているのは、業種・職種いずれも「まだ決まっていない」のみでした。つまり、時の経過とともに「志望業種・職種」を見失う学生が増えたのです。

先月17日、日本経団連は2014年度入社対象の倫理憲章について、「2013年度入社対象の採用選考活動は現在も行われており、倫理憲章改定の影響を十分に検証するには時期尚早であることに加え、頻繁に改定することは関係者に混乱を来すことなどから、現行の倫理憲章の見直しは行わない」と発表しました。

またリクルートが行った『採用状況中間調査』でも、2014年卒の採用選考に関して、実施時期・期間は「2013年卒と同様」と回答した企業が大半を占めており、おそらく2014年卒採用は2013年卒採用と同様のスケジュール感で進んでいくものと予想されます。

また今年の学生に顕著に見られた「視野を十分広げないままに直接接触期に突入」「時がたつにつれ志望業種・職種を見失う」という現象が、来年すぐに解消されると想像するのは難しいでしょう。

こうした環境の中で採用成功を実現するためには、「学生の志望度に委ねすぎない」採用活動の設計が必要であると思います。

エントリーを集め、その中からセミナーに参加してくれる人を募り、それを実質的な母集団と捉えて、その母集団のうち自社の採用意向度の高い人を抽出するという方法は、ある意味「学生の志望度に委ねた」方法であるともいえます。


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広報開始から選考開始までにある程度の時間があれば、セミナーの時期を変えて複数回開催し、またそこに積極的な呼び込みをかけることで、実質的な母集団を集めることができたかもしれませんが、今年のような“圧縮スケジュール”では、もはやこの方法は通用しづらくなっていると実感した企業の皆さんも少なくないのではないでしょうか。

そこで提案したいのが、「企業の採用意向度を起点とした母集団形成」です。

これまでも「エントリーの“量”は分かるけれど、“質”が見えない」というご指摘は、企業の皆さんからも多々、いただいてまいりましたし、われわれ自身も問題意識を高く持ち研究開発に努めてまいりました。そして『リクナビ2014』からは、今どきの言葉でいえば、リクナビにも存在している『ビッグデータ』を活用し、このエントリーの“質”の見える化を実現しています。

採用のテクニックやトレンドは時代に沿って変化しますが、採用の目的はいつの時代も変わらず、「入社後に活躍する人材の確保」であると思います。そしてわれわれは、引き続き皆さんの「入社後活躍」を目的とした採用のお役に立てるよう尽力してまいります。

今回は主に、「新卒採用総括セミナー」にご参加いただけなかった方に、そのエッセンスをお伝えするとともに、ご参加いただいた方には復習としてご参照いただければ幸いです。

※お忙しい中、また大変暑い中、セミナーにお運びいただいた方、本当にありがとうございました。


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