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2012/04/17

2013年卒採用戦線はどう推移する?―2011年卒最終実績(ワークス調査)からの予測―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

新年度となり、いよいよ2013年卒採用の選考活動が本格化する中、企業人事の皆さまは大変お忙しい日々をお送りのことと存じます。

リクナビに寄せられる学生からの投稿メールにも、「選考」に関する内容が目立つようになってきました。

●4月になると周りの人に少しずつ内定が出始め、今内定が無い状態が遅れているのか、決まったら終わるというのが普通なのかわからなくて、焦り出してしまっています(4月12日)
●面接の際に「うちで内定だしたら、いま受けている他の企業はどうするの?」と聞かれた場合、どう答えるべきなのでしょうか(4月10日)
●内定のお礼状に自分らしさを出すにはどうすればいいのか…?(4月9日)
●面接で失敗したことを引きずってしまいます(4月6日)
●先日最終面接を受けて、先ほど不採用通知が届きました(4月4日)
●周りが最終選考に進んだり内定をもらったりする中、自分は就活が振り出しに戻ってしまいました(4月3日)
●大学へ行き、久しぶりに同級生と会いました。最終面接のところがある、内定1社もらったと話され、焦ります(4月2日)
●今までに5社ほど一次面接を受けたのですが、すべて落ちてしまいました(3月31日)

今年は、広報活動のスタートが例年よりも2カ月後ろに倒れましたが、選考活動については、震災の影響で分散化した昨年を踏襲するのではなく、例年のスケジュールをベースに計画されている企業が多いようです。

そこで今回は、一昨年の採用活動実績に関する事実情報〜 『大卒採用構造に関する調査レポート (リクルートワークス研究所 2012年4月)』 〜から、2013年卒採用戦線の今後の推移を予測します。


■調査概要

この調査では、「採用選考開始時期が後ろ倒しになった場合の影響」についても追究しています。 ご興味のある方はぜひ『大卒採用構造に関する調査レポート』もご参照ください。

学生に用意された座席の2割弱が“空席”で終了

まず、2011年卒採用の結果を俯瞰してみましょう。

2011年3月に大学および大学院(修士)を卒業する人を対象とした企業の採用計画総数は41万1,000人、一方の実績総数は34万2,000人となりました。

この採用計画(予定)数と実績数の間には、実に7万2,000の差があります。つまり、2011年卒採用市場には、学生に対する“座席”が41万1,000人分用意されたにもかかわらず、その17.5%にあたる7万2,000人分が、空席のままで終わってしまったということです。


■採用計画(予定)および採用実績数


この「空席率」は、従業員規模によって大きく異なるのも事実です。採用計画数を100とした場合での採用実績数は、従業員規模が300人以上の企業では、計画に対する実績がいずれも9割前後であるのに対し、50〜299人の企業では84.2%、5〜49人の企業に至っては63.2%と、計画と実績の隔たりが大きくなっています。


■採用計画(予定)数を100とした場合の採用実績数


この結果からは、従業員規模が小さいほど「採り切れていない」ことが分かる一方で、5,000人以上の超大手企業であっても、計画通りには採っていないという状況がうかがえます。

その背景には何があるのでしょうか。

この調査では、採用基準に見合う応募者の状況についても尋ねています。それによると、採用基準に見合う応募者が「いなかった」とする企業はわずか11.2%にとどまりました。全体の45.1%が「数の面でも十分に集まった」、43.7%が「数は少なかった」と拮抗していました。


■採用基準に見合う応募者の状況


これを「計画通りに採用できた・できなかった」つまり、「採りきれた・採りきれなかった」という結果によって分けて見てみましょう。

計画通りに採用できた企業の6割が「数の面でも十分に集まった」としているのに対し、計画通りに採用できなかった企業では半数以上が「数は少なかった」と回答しました。

またそもそも「基準に合う応募者はいなかった」とする企業も3割近くに上り、採用できた企業とは大きくその回答傾向が異なっています。


■採用基準に見合う応募者の状況(計画通りに採用できた・できなかった企業別)


以上より、
●母集団の質に課題がある企業は、計画数に至らない(=採りきれない)状態で活動を終了する傾向
●その「未達成枠」を積み上げると7万2,000人分にも至り、これは採用計画数の2割弱に当たる
と言え、母集団の数が例年よりも減少する傾向が見られている2013年卒採用においては、こうした状況が続くことが予測されます。


大手の7割強に、採用活動終了後の内定辞退が発生!

次に、これから本番を迎える「内定出し」について見てみましょう。


●うちが望ましい人材であると思った場合、他社も同じである。これはと思った人に逃げられると本当にガッカリする
●うちには来ないだろうと思うずばぬけた人と、うちに来てくれそうな次点の人と、どちらに内定を出すべきか葛藤する
●非常に積極的で、これならいけると思って内定を出したのに、その途端に態度が変わってしまい、結局「大学院に行きます」と辞退されてしまった


人事担当者の皆さまのこうした声は、毎年のように多く聞かれます。もはや内定に辞退はつきものと捉えて、少し多めに内定を出すケースもあると思いますが、他企業はどのような対応をしているのでしょうか。

今回の調査では、各企業に採用計画(予定)数と採用数に加えて、内定総数も尋ねています。企業の内々定を含む採用内定数は、全体では43万4,000人で、採用計画数よりも2万人多くなっています。


■採用計画(予定)数および延べ内定総数


採用計画数を100とした場合で見ると、延べ内定総数は全体では104.8となります。従業員規模別では、1,000人以上の企業が120.4と計画に対して2割以上多く内定を出している一方、1,000人未満の企業は100.3と、計画数とほぼ同じという結果になりました。

さらに詳細に見てみると、5〜49人の企業は他とは様子が異なっていることが分かります。50人以上の企業のいずれも、計画(予定)数以上の内定出しをしていますが、50人未満企業に関しては予定の8割しか内定を出していないということなのです。


■採用計画(予定)数を100とした場合の、内定総数および採用数


これらより、内定とその歩留まりは、
  • ・300人以上の企業は、計画数の2割増しで内定を出し、9割で着地
  • ・50〜299人の企業は、ほぼ計画数と同数に内定を出し、8割強で着地
  • ・50人未満の企業は、計画数の8割に内定を出し、6割強で着地
と総括できます。

このように、内定を出した数と、着地つまり最終的に採用した数に大きな乖離がある主な要因は、内定辞退の発生でしょう。

実際に、内定辞退者の有無を企業に尋ねたところ、3社に1社の割合(33.2%)で、内定辞退者がいたと回答しています。

これを従業員規模別に見ると、50人未満の企業では18.2%と5社に1社程度ですが、50〜299人の企業で4割強、300〜999人の企業では3社に2社で内定辞退が発生しています。さらに、1,000〜4,999人の企業では78.7%、5,000人以上の企業では85.9%と、大半の企業で内定辞退者がいたことが分かりました。


■内定辞退者の有無

(注)『就職白書2012』の、「内定辞退者の有無」との結果に差異がありますが、2つの調査は、調査対象年度、調査タイミング、回答企業の従業員規模別の構成比などが異なっています。


また、内定辞退者がいた企業のうち、採用活動を終えた後に内定辞退されたかどうかを尋ねたところ、2社に1社の割合(46.7%)で、採用活動終了後に内定辞退者がいたとしています。従業員規模別に見ると内定辞退者がいた1,000人以上企業の6〜7割に、採用活動終了後の内定辞退者がいたということも明らかになっています。


■内定辞退者がいる企業のうち、採用活動終了後辞退の有無


大手の「通年採用化」で、内定の握りがさらに重要に

前項で、採用活動終了後の内定辞退が少なくないという事実をご紹介しましたが、ではその「採用活動終了」の実態はどうなっているのでしょうか。

この調査では、内定出しの期間および開始・終了時期についても聞いています。

内定出しの開始から終了までの期間を見ると、全体では1カ月未満が6割近くで、平均は1.47カ月となりました。

しかしこれも従業員規模によって大きく異なります。

1,000人未満企業のうち、5〜49人企業は、1カ月未満が7割強で、平均は0.72カ月、50〜299人企業は1カ月未満が5割弱で、平均は1.96カ月と、比較的短めです。ところが300〜999人企業になると、1カ月未満が約3割である一方、5カ月以上とする企業も2割強あり、平均は2.80カ月となりました。

さらに1,000人以上企業のうち、1,000〜4,999人企業は5カ月以上が3割近くで多く、平均は3.16カ月、5,000人以上企業は5カ月以上が約4割とさらに多く、平均も4.05カ月でした。


■内定出しの開始から終了までの平均期間


一般的に、従業員規模が大きいほど採用数も多いので、その分内定出しの期間も長期化する傾向があるようです。

次に、内定を出し始める時期および終える時期について見てみましょう。

内定を出し始める時期について、従業員規模別に見ると、「1,000〜4,999人」と「5,000人以上」の1,000人以上企業は、2010年4月に集中していました。

「50〜299人」「300〜999人」は、2010年4月から6月にヤマがあり、大企業とほぼ同様の時期に内定出しを始める傾向が見られますが、「5〜49人」は2010年7月から11月の間に内定が出し始められており、それ以上の規模の企業群とは異なった動きをしていることが分かります。


■内定出しの開始時期


累計のグラフで見ると、その違いがさらによく分かります。1,000人以上の企業の9割、300〜999人の企業の8割近く、50〜299人の企業の6割は、それぞれ2010年6月までに内定出しを開始していましたが、5〜49の人企業で6月に内定出しを開始しているのは1割程度にすぎません。


■内定出しの開始時期_累計


内定を出し終える時期は、全般的に開始時期よりも分散する傾向が見られますが、300人以上の企業群はいずれも、5月から7月の間がやや多めで、300人未満の企業は10月から11月に終了している企業がやや多めでした。


■内定出しの終了時期


これを累計で表すと、少し意外な姿が見えてきます。

世間一般ではしばしば「就活は夏までが勝負」とされ、学生やその親の多くは「秋にまだ決まっていなかったらダメ」という認識を持っているようです。

ところが実際は、5〜49人の企業の56.9%、50〜299人の企業の41.2%、300〜999人の企業の32.8%、1,000〜4,999人の企業の28.4%、5,000人以上の企業の36.9%が10月以降に内定出しを終了しているのです。


■内定出しの終了時期_累計



■企業の内定出し終了時期(まとめ)


これまでもお伝えしてきた通り、企業は量より質を重視する傾向にあり、重複内定学生も多く存在する中で、ある程度の辞退者を見込んで内定を出すものの、大手であっても採用予定数に満たない状況で採用活動を終了しています。加えて昨今の「グローバル採用強化」の流れもあり、大手の採用活動は長期化の傾向にあります。

実際、「計画(予定)通りに採用できなかった事情」を見てみると、「途中であきらめて、採用活動を止めた」「中途採用などの他の手段で補った」は少数派で、多くは「採用の門戸は開けていた」としています。


■採用計画(予定)通りに採用できなかった事情


新卒一括採用の在り方を見直す議論の中で、「通年採用への移行」がしばしば提唱されますが、実は既に幅広い時期に採用活動が行われており、また大手企業の門戸は比較的長く開いています。

2013年卒採用は、「広報活動期間の短縮」という大きな変化があり、人事の皆さまはその対応に苦慮されたことと存じます。

ここからの“選考本番”では、おそらくここ数年の傾向であったと思われる「内定の構造」に着目し、「他社にとって望ましい人材であろう自社にとって望ましい人」を確実に惹き付けることが極めて重要でしょう。

われわれは、企業の皆さまが、面接選考や内々定・内定出し、その後の内定者フォローの各場面において、効果的なコミュニケーションを展開できるようサポートしてまいります。


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