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2012/01/24

企業のグローバル化が就活を変える!―「いつかは海外」から「いきなり世界」、“セカ就”の兆し―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

2013年卒生の就職/採用活動が本格スタートしてから、約2カ月がたとうとしています。今年は『リクナビ』のアクセス数や『リクナビ★LIVE』の来場者数は例年よりもかなり多く、広報期間短縮が学生の意識や行動に及ぼす影響の大きさを、あらためて肌で感じているところです。

一方、企業人事の皆さんからは「母集団数の不足」に悩む声が聞かれます。広報開始日を基点とした累計エントリー数は昨年より大幅増だが、昨年同時期に追い付くには程遠く、これで本当に十分といえるのかなどのご相談を、弊社営業担当宛てに多くいただいている状況です。

いうまでもなく、2013年卒生の就職/採用活動においては、この「スケジュール変更」による影響をいかに予見し自社の戦略・戦術に反映するかが、最大の焦点となりましょう。

他方で、新卒採用市場におけるメガトレンドが学生の意識や行動にもたらす影響についても、押さえておく必要があると考えます。

そこで今回は、今年特に顕著となってきた新卒採用の潮流として、企業の「グローバル採用」の拡大が、学生たちにどのような変化をもたらしているのか、レポートすることにいたしました。

「内向き」「安定志向」といわれる今の若者たちは、就職活動という経験を通じて、社会や経済のグローバル化をどう見ているのでしょうか。

“グローバル人材”を目指し、行動する学生たち

『就職ジャーナル』では昨年12月、内定を得た大学4年生・大学院2年生を対象に、就職活動中のグローバル化の影響について、調査を行いました。
 
それによると、全体の59.1%の学生が「影響を感じた」と回答しています。


また、「将来、グローバル(海外)で通用する人材になりたいと思いますか?」の問いに対しては、59.8%が「はい」と回答しており、属性別では、大学院生・男子学生に「はい」の回答割合が多いという傾向が見られました。


さらに、「将来、グローバル(海外)で通用する人材になるために、実際に行動を起こした(している)ことはありますか?」と尋ねたところ、48.5%の学生が「はい」と回答。

(株)リクルート『就職ジャーナル』調べ
内定を取得し就職活動を終了した2012年卒業予定の大学4年生・大学院2年生へのアンケート(2011年12月)


この回答者に具体的な活動内容について尋ねたところ、61.6%が「語学の資格を受験した」、53.2%が「語学の勉強を始めた」としており、まずは個人の能力向上を目指して、語学に着手している様子がうかがえました。

一方、具体的な行動をしている学生の23.4%が「海外勤務ができそうな企業」、20.5%が「グローバル展開を重視している企業、20.3%が「語学力が高められそうな企業」を志望したと答えています。また、将来グローバルで通用する人材になるための活動として、就職活動中の志望企業選びを挙げた学生も少なくありませんでした。


(株)リクルート『就職ジャーナル』調べ
内定を取得し就職活動を終了した2012年卒業予定の大学4年生・大学院2年生へのアンケート(2011年12月)


また、フリーコメントを見ると、

●LinkedInへの登録、実際に海外で働いたことのある人へのOB訪問、語学の勉強(経済学部 男子)
●大学の語学施設を積極的に利用したり、海外から留学している友人に会話練習をしてもらったりしている
 (文学部 女子)
●研究室にいる留学生となるべく英語で会話するようにしている(工学研究科 女子)
●海外の友人とSkypeで会話して英会話の練習をした(商学部 男性)
●中国語インテンシブクラスに所属し、授業のほかに、中国人や韓国人留学生と勉強会をしたり、ランチを一緒に
 食べたり、ご飯を一緒に作ったりするなど、触れ合いの時間を多く取っている(経済学部 女子)
●外資系に就職することもあり、とにかく自分の力をつけることに集中している。年功序列ではないので……
 (法学部 男子)

など、現在置かれている環境や情報ツールを活用して自己研鑽する様子や、

●海外に拠点を持つ企業とその意識の高い企業を優先的に受けた(理学部 男子)
●海外展開している企業しか受けなかった(法学研究科 女子)
●海外MBA修得制度など、働きながら学習できる制度が整っている会社を受けた(文学部 女子)

など、「グローバル」の視点にこだわって企業選びをした姿が見られます。


最大の背景は、企業の<グローバル化3.0>シフト

なぜ学生たちはこうした志向・行動を見せているのでしょうか。彼らに最も大きく影響を及ぼしているのは、やはり企業の動向であるといえましょう。

企業のグローバル化が今に始まったことではないことは、いうまでもありません。しかしそのグローバル化にはいくつかの段階があり、今まさに新たな段階<グローバル化3.0>を迎えつつあるのです。

●グローバル化のフェーズ

<グローバル化1.0>
  1980年代。円高対策や安いコストで生産を行うことを目的に、製造業を中心に工場を海外へ移転した。現地のマネジメントは日本人が行っていた。

<グローバル化2.0>
  1990年〜2000年代。いわゆる「現地化」という言葉で表現されるように、日本で作った商品・サービスを現地の企業や消費者にも提供。現地のマネジメントも現地の人材が行うようになった。

<グローバル化3.0>
  「現地化」からさらに進んだ「世界化」と言える動きで、2012年の今はまさに2.0から3.0への過渡期。現地に合わせ、サービスや商品をカスタマイズしていくのではなく、最初から「世界で売ることを意識してモノを作る」時代。言うなれば「いつかは海外」から「いきなり世界」へのパラダイムシフトである。
 商圏も「世界」になるため、人材調達も世界から行い、育成は「世界でサービスを提供」することを前提にした内容に変化。経営層は世界中から参画し、本当の意味でダイバーシティとなっていく。

実際の企業の人材マネジメントには、どのような兆しが見られるのでしょうか。

弊社ワークス研究所が行った『組織や人事課題の近未来に関するアンケート』では、60%が「製造業の海外への工場移転は急速に進む」、87%が「国内・海外現地法人の人事制度の統一化は進む」と回答。

若手の採用や育成に関しては、93%が「日本人社員のうち20代で海外勤務を経験する人は増える」、73%が「新卒採用に占める外国人の割合は大幅に増える」としています。


(株)リクルート ワークス研究所 『組織や人事課題の近未来に関するアンケート』(2011年)


これとは別に、同研究所が昨年12月に行った『ワークス採用見通し調査』によると、「海外の大学・大学院に在籍する外国人の新卒採用意向の有無」は、全体で見れば「あり」とする企業は7.8%と限定的ですが、従業員数1,000人以上に絞ると29.1%が「あり」としており、大手を中心に新卒採用を「いきなり世界」で行う企業が少なくないことが確認できるのです。


(株)リクルート ワークス研究所 『組織や人事課題の近未来に関するアンケート』(2011年)


また、リクナビの企業原稿メッセージを見ても、以下の例の通り、「世界」「国際」「海外」といったキーワードが、昨年あたりからかなり目立つようになっています。

●良い服は、世界を変える。あなたが、世界を変える
●海の向こうで私たちのビジネスを待っている人々がいる
●国境を越えれば必ず勝てる。世界を変えるネットサービスを
●世界に誇れる、人間力を
●2012 世界人採用、開始
●日本だろうが、地の果てだろうが、世界に尻込みしない若者、募集

このようなメッセージを通じて、学生たちは企業の<グローバル化3.0>へのシフトを感じ取り、「もはやグローバル化からは逃げられない」といった認識を拡大させているのではないでしょうか。

2012年、就職領域のトレンドキーワードは“セカ就”

リクナビでは、学生に企業・仕事選びの新たな視点を提供すべく、特集を設置しています。その中の「世界を舞台に活躍できる」「世界で戦える技術を持つ」といった、グローバル切り口の特集のページビューは、昨年に比べて大きく伸びているといわれています。

 
また、2013年卒の学生と既に直接接点を持っている方からは、以下のような声も寄せられています。

●この1月に開催した新卒向けの説明会で海外赴任に関する事例を話したところ、「いつ(何歳)から行けるのか」
 「確実に行けるのか」といった質問が多く出て、その意識の高さに驚いた(企業人事)
●12月以降、合同企業説明会に複数参加したが、今年は自社の海外展開に関する質問が目立っている(企業人事)
●学生の就職相談に乗る機会が多いが、今の3年生は「これからキャリアを切り開く上で、早期のグローバル経験は
 不可欠」と考える学生が非常に多い(大学教員)
●今年の学生は、実際に海外赴任ができるかどうかなどを重視し、就社から一歩つっこんだリサーチをする傾向が
 ある(大学職員)

もちろん、一人一人の学生には固有の価値観があり、“グローバル”に対する捉え方も人それぞれであることは前提ですが、ビジネスのグローバル化を真正面から受け止め、そうした環境の中で活躍できる人材を目指す一つのトレンドが顕著に見られ始めていると実感しています。


3.11以降、ビジネスのグローバル化が一層進展したといわれる中、2012年はいよいよ、学生たちの“世界進出”を前提にした企業選びが本格化することが予測されます。

学生の仕事選びも「いつかは海外」から「いきなり世界」へ、国境なき就活が本格的に始まるのではないでしょうか。こうした動きを私たちは“セカ就”(世界就職の略)と名付け、今後もウォッチしてまいりたいと思います。

昨今、自社のグローバル人事部を新設・増強する、外国人留学生の採用を強化するなど、企業人事における「グローバル」への対応も顕著です。


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