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2011/07/19

2012年卒生の就職活動進捗状況―最新の内定率調査から―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

夏本番、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

採用を担う皆さまにおかれましては、2012年卒採用を既に終え内定者フォロー中、まさに選考の真っただ中、これから始める採用活動の準備中……、など、各社の方針・計画に則って、実務に邁進されていることと思います。

学生も、既に就職活動を終え卒業・修士論文に没頭中、あるいはなんとか秋までに決めるべく複数の選考にチャレンジ中、秋採用に照準を定めてしばし充電中、進学や公務員から路線変更しこれから本格化……、など、それぞれの夏を過ごしているようです。

今回は、6月下旬に『リクナビ』で行った調査「リクナビ会員の内定率(内々定率) 6月度〜大学生・大学院生の就職活動動向レポート〈リクナビ調べ〉より〜」から、そうした学生の就職活動の進捗状況の全体像をご紹介します。

特に今年は、震災の影響で、企業の採用活動に変化が生じ、それに呼応して、学生の動きにも特徴が見られるので、そのあたりを中心に、定量データを用いながら述べてまいります。


■調査概要

内定率、就職活動終了率はいずれも昨年減で推移

まず、6月度の内定率を見てみましょう。

リクナビ会員の大学生の内定(内々定)取得率は、調査時点で49.2%であり、
■全体
昨年同時期の、-6.6ポイントとなりました。
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文理別では、文系:50.2%、理系:47.2%で、文系がやや高かったですが、
■文理
文系:-7.3ポイント、理系:-4.2ポイントと、理系の方が、減少幅が小さくなっています。
(クリックすると拡大します)

また理系のみ、大学院生にも調査をしていますが、こちらは70.0%と極めて
■大学院生
高かったものの、昨年比では-11.5ポイントと、かなり大きく減少しました。
(クリックすると拡大します)

男女別では、男性:50.3%、女性:48.1%と、男性がやや高いものの、
■男女
昨年比は男性:-8.1ポイント、女性:-5.1ポイントで、昨年同時期には5.2ポイントあった男女の値の差が、今年は2.2ポイントに縮小しています。
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地域別では、関東:50.9%、東海:48.1%、関西:52.1%、
■地域別
その他:44.9%で、それぞれの昨年比は、関東:-4.5ポイント、東海:-11.9ポイント、関西:0.9ポイント、その他:-14.3ポイントと、地域によって大きく違いが出る結果となりました。
(クリックすると拡大します)

次に、就職活動終了率を見てみましょう。

大学生全体の就職活動終了率は34.4%で、昨年同時期の-11.7ポイント
■全体
であり、内定率の昨年比(-6.6ポイント)の倍近い減少幅となっています。
(クリックすると拡大します)

文理別では、文系:32.3%、理系:38.7%で、内定率とは逆に理系の方が
■文理
高くなっており、昨年比では、文系:-12.2ポイント、理系:-11.5ポイントと、いずれも大きく減少しました。
(クリックすると拡大します)

理系院生は59.6%と、内定率同様高い値が出ていますが、昨年比では
■大学院生
-15.1ポイントと、大きく下げています。
(クリックすると拡大します)

男女別では、男性:37.1%、女性:31.5%と、内定率同様男性がやや高く、
■男女
昨年比は、男性:-12.4ポイント、女性:-11.3ポイントでした。
(クリックすると拡大します)

地域別では、関東:36.4%、東海:32.1%、関西:35.5%、
■地域別
その他:31.5%で、昨年比は、関東:-8.7ポイント、東海:-15.0ポイント、関西:-7.2ポイント、その他:-19.2ポイントと、こちらも地域によって大きな差が出ています。
(クリックすると拡大します)

震災影響による内定付与の遅れと、学生の不安心理による長期化

ワークス大卒求人倍率調査(2012年卒)などの、企業の採用予定状況のデータとも併せ考察すると、現時点での内定率低下の主要因は、企業の内定付与の遅れの影響であるといえましょう。

今年の大卒(大学院生も含む)の求人倍率は1.23倍と、昨年(1.28倍)よりも0.05ポイント低い数字となりました。これは1000人未満企業の求人が29,300人(対前年マイナス6.7%)減少した影響が大きく、一方の1000人以上企業の求人総数は、前年+7,100人(対前年プラス4.9%)となっています。

また、1000人未満企業の求人倍率は1.86倍と、まだまだその規模を希望する学生の数よりも、求人数が大きく上回る状況であることも事実です。


■従業員規模別の求人数・民間企業就職希望者数・求人倍率


つまり、2012年卒については、1000人以上の企業の採用意欲は上向き、1000人未満の企業はやや減退気味ではあるものの、まだまだ需給バランスだけでいえば、学生側に有利な「売り手」の状態といえます。内定率の低さは、内定予定数の減少ではなく、その付与の遅れである、と見るのが妥当でしょう。

ご承知の通り、今年は震災の影響で、企業の選考活動が分散しました。

例年選考のピークとなる4月に採用活動を停止した企業は、4月26日付本コラムでもお伝えした通り、5000人以上企業、金融、製造業などで顕著でした。例えば理系院生の内定率減少が大きかったのは、製造業のスケジュール変更の影響を大きく受けたことと思われます。

学生とコミュニケーションをしていると、「最終面接で『では結果は2カ月後』と告げられ困った」「最終面接に臨んだら、面接後に『もう一度1カ月後に来てほしい』といわれて戸惑った」などといった声も複数聞かれました。企業サイドが他社の様子を見ながら調整する中で、結果として選考活動期間が長引いたケースも少なくなかったことと推察します。

一方の就職活動終了率の低下は、学生の心理によるところも大きいと思われます。

「内定率」と「就職活動終了率」の差(単位「ポイント」)は、全体:14.8、文系:17.9、理系:8.5、理系院生:10.4、男性:13.2、女性:16.6、関東:14.5、東海:16.0、関西:16.6、その他:13.4でした。この差は前年同時期と比べると、いずれも3〜8ポイントほど広がっており、「内定は持っているが就職活動を続けている」人の割合が大きくなっていることが伺えます。


■内定率と終了率の差


本調査では、レポートには記載していませんが、内定取得者に、「最初の内定を獲得した時期」についても聞いています。

それを見ると、2012年卒の大学生では、全内定取得者の8.6%が震災前の3月上旬までに1社目の内定を獲得しており、その値は昨年と比べると4.9ポイント高かったのが、3月中旬・下旬で0.8%にまで落ち込みました。そして4月1カ月の合計が27.0%と、いずれも昨年と比べ、それぞれ-6.3ポイント、-5.0ポイントと大きく下回る結果となりました。

最初の内定取得時期として最も割合が高かったのが5月下旬で12.9%。それを含む5月1カ月の合計が32.6%、6月1カ月は31.0%と、例年は4月に見られるピークが、5月・6月に分散した形となりました。


■最初の内定を取得した時期
注)表示数字は小数点第1位までとした。

内定者全体の2/3近くが『重複内定』であるという実態

では次に、学生の内定取得状況について、見てみましょう。

本調査で「内々定あり」と回答した学生にその獲得社数を聞くと、1社:58.1%、2社:23.7%、3社:11.3%、4社:3.3%、5社以上:3.6%となり、2社以上から取得している学生の割合は、昨年同時期より3.5ポイント高くなりました。

■内定獲得状況

次に、このデータを、切り口を変えて分析してみます。

1社内定の学生全体が取得している内定数の総和は1社×n人=n件、2社内定の学生は2n件……と足し上げて、これら回答者の取得した「内定総数」を算出します。

この「内定総数」を、学生内定取得社数別に開いて見ると、1社内定学生が取得
■重複内定の割合
している割合は、全体の35.7%、2社が27.0%、3社が18.0%、4社が9.4%、5社以上が9.9%となりました。つまり、内定者全体の64.3%は「重複内定」となっていたのです。

さらに、2社内定学生は、そのうち1社にしか入社できないわけですから、2社内定学生に出した内定総数の50.0%が内定辞退される、3社の場合は66.7%、4社は75.0%……と計算していくと、これらの学生に付与している全内定の40.9%は、少なくとも内定辞退となるという構造が見えました。

これはあくまで学生側が「自分は内定をもらった」という認知をベースにした調査ですので、その認識が企業サイドとズレている場合もあるでしょう。また、学生にとって就職活動は初めての経験でも、企業の多くは、過去にも採用活動を実施しており、その経験から、歩留まりをある程度読んだ上で内定付与しているという実態もあることと思います。

しかし「全体の40.9%」という数字は、決して小さいものではなく、企業・学生双方にとってのよりよい採用・就職のためには、まだまだ努力の余地があることをあらためて認識しています。

われわれは、「学生が、自分に最もふさわしく、自分を伸ばすことのできる会社を選び、会社は明日の繁栄を担う優れた人材を求める。この2つのことが両立していくためには、企業と学生間のコミュニケーションが十分に成立していかなければならない」という、リクルートの就職支援サービスの基本思想を貫いていきます。

引き続き、その精神にのっとり、商品・サービスを磨いてまいります。
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