2011/06/21

緊急開催! 学生座談会 partII―2013年卒学生が明かす現在の心境―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション


こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

6月も後半となり、企業人事の皆さまは、2012年卒採用の関連業務でご多忙の日々をお送りのことと存じます。

一方、大学サイドでは、2013年卒学生向けの就職ガイダンスが本格化してきました。

震災の影響や、2013年卒学生からの就職採用スケジュールの変更を鑑み、大学における就職支援スケジュールも、例年とは別の形が模索される動きもあります。

その一方で、

 
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という考えから、「夏休み前のこの時期に『就職・キャリア』を意識し行動を始めてほしい」と、例年通りのスケジュールで支援を開始する大学がむしろ多いようです。

では当の学生は、今どのような思いで何に取り組んでいるのでしょうか。

今回は、2013年卒予定の学生5人に集まってもらい、「就職・キャリアに関する座談会」を開催いたしました。そこで発せられた学生の皆さんの本音、そこから見える採用活動上のヒントについて、述べてまいります。




13卒スケジュール変更に関する学生の認識は?

岡崎こんにちは。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

一同よろしくお願いします!

■参加者の自己紹介(就職活動についての心境など)

岡崎自己紹介で「僕らの代からスケジュールが変わる」とおっしゃった方がいましたが、それはどこで聞きましたか?

じゅん
さん
先輩から、「震災の影響で例年と違っていてやりにくい。おまえらの代にもきっと影響があるぞ」といわれました。「4年生がずれているので、そのまま3年生のもずれるのではないか」と。

のぶ
さん
僕はニュースで見ました。テレビで経団連の発表報道を見て衝撃でした。それまでも商社が夏選考とかは聞いていたのですが……。そうしたことに不安を感じたので、大学のゼミで就職に関する研究会を開くことにしたんです。その講演者との打ち合わせで、先輩の就職状況の厳しさをデータで教えられ、若干焦っています。

すぐる
さん
僕も「12月から始まる」と聞きました。例年だと企業の説明会や訪問も10月から半年かけてできていたのに、短くなるといろいろ行けず厳しいと感じています。先輩の体験も、あんまり参考にならないのかなとも思っています。

MIYA
さん
メディアでいろいろ変わるといわれても、正直何から手を付けていいのか分かりません。

たつや
さん
僕らの就職活動は12月から始まるけれど、採用の月は変わらない。でもきっとそれもズレてくるのではと思います。インターンも遅れそうなので困ります。早めに企業で働く体験とかをしたいので。

岡崎皆さんの周囲の学生はどうですか?

たつや
さん
正直、詳しく知らない人が多いと思う。就職に関してまだあんまり興味がない人もいます。

MIYA
さん
情報を持っている人と持っていない人の差が激しいです。例えばゼミやサークルに所属している人には入ってくるようなことを、どこにも所属していない人は知らない場合があります。

のぶ
さん
インターネットをうまく活用している人は情報を持っていて、そうでない人は、今の新聞やテレビが若干あおっている面もあり、漠然とした根拠のない不安を持っているような。

テレビで100社受けてどこも受からなかった早稲田の学生が紹介されていたのですが、それって一握りでしょ? それが全体かのように誇張されて報じられていることに、違和感を覚えています。

じゅん
さん
「マスコミが騒ぎすぎ」というのは僕も感じます。採用が減るとか遅れるとか悪い面だけをクローズアップする。学生は余計に不安になるだけです。そういう報道は「だったらこうしましょう」ということはいってくれないので、自分たち学生が自ら動いていかないといけないと思います。

決まっている人とそうでない人、彼らの先輩への評価は?

岡崎今、1つ上の先輩たちの状況をどうご覧になっていますか?

たつや
さん  
ゼミの先輩が8人で、就職活動終了は1人だけ。その先輩はカリスマ性があるというか……ずば抜けているんです。こういう時代には、即戦力になる人材しか採らないのかなと、ちょっと思ってしまう。その先輩はリーダーシップもあり、ゼミ内での発言も論理的で、「ああやっぱりあの人が」という感じです。
MIYA
さん
まだ商社とかも始まっていないので、内定を持ったまま活動を続けている先輩もいれば、まだ内定がない先輩もいます。でも全体的には「意外と着々と決まっている」感じです。

すぐる
さん
決まった先輩と決まっていない先輩を自分なりに比較すると、「やっぱりこの先輩じゃ内定もらえないんだな」ってなんか分かるような気がします。パッと見て暗そうな人、気さくな人ってありますが、選考は短いので第一印象って大切なんだろうなとか。

のぶ
さん
僕は少し意見が違います。所属団体の先輩とゼミの先輩、どちらも優秀な先輩がいますが、ゼミの先輩は全員決まったのに、団体の先輩で決まっていない人がいるんです。その人は論理的思考もできて、学部長賞も受賞した実力の持ち主なのですが、エントリーシートでことごとく落ち、結局、地元就職に切り替えました。

同じ優秀な先輩でどうしてここまで違いがあるのかが疑問です。企業は一体何を見ているのか。縁がなかったといわれればそれまでですが。

岡崎 その先輩を見て、ご自身はどう考えていますか?

のぶ
さん
僕はその状況を聞いて不安になっています。自分が努力をして自分の価値を高めても、それが「相手に伝わらなかったのか、それとも相手には必要なかったのか」ということが一切開示されないことに疑問を感じます。

じゅん
さん
僕の所属委員会の委員長も本当に優秀な人。もう決まっているのですが、その先輩を見て感じたのは、「最終的には人間としての魅力で決まる」ということです。資格とか成績のよさとかではなく、人としての資質や魅力で決まるものなのだと感じました。

岡崎 どういった点で、その人は「人間的に魅力がある」と感じるのですか?

じゅん
さん
その先輩は大手アパレルと有名ネットベンチャーの内定を辞退して、ブライダル企業に行くことに決めたのですが、とにかくコミュニケーション力がずば抜けているんです。プレゼン力もすごい。

何より自分が学生時代にやってきたことに自信がある。経験が自信になって人間としての魅力につながっているのではないかと思っています。

何に向けて「努力」すべきか、企業からの発信に関心

岡崎さまざまな現状を見て、じゃあ自分はどうしようと考えていますか?

じゅん
さん
受験と全く違うことに戸惑っています。受験は点数が高い者が勝者、必ず正解もある。でも就職は正解・不正解の世界ではないと聞きます。

MIYA
さん
受験は努力をすれば自分が行きたいところを選べる。でも「就職は違う」と。アルバイトの先輩にいわれたことですが、「就職も努力をすればもちろん決まりやすくはなるけれど、その人がいくらその業界に行きたくても、その業界がその人みたいな人材を求めていなければ、努力をしてもかなわないことがある」と。
すぐる
さん
受験のときに一番気にしたのは「傾向と対策」です。でも就職は傾向もさまざまだし、対策も志望動機と自己PRくらいで、それ以外は相性というか。あまり対策しすぎてもよくないのかな。

たつや
さん
私は大学を選ぶときも、「自分が成長できる環境かどうか」を教授や先輩など「人」で判断したので、就職のときにもそうしたい。OB訪問で社員や社長にどんどん会って、自分がやりがいを持てるかどうかを確認したいです。

MIYA
さん
私はゼミを選ぶときに、希望分野の「オープンゼミ」に行ってみて、雰囲気が合わないのでやめました。自分が成長できるかどうかは、場になじめるかどうかも大きいような気がします。

じゅん
さん
僕は英語をやっています。留学生がクラスにいるのですが、韓国人も中国人も英語は当たり前ですね。世界には60億人の人口がいるので、そこを相手に商売する企業が日本でも増えてくる。英語はそのためのツールとして非常に大切だと思っています。

のぶ
さん
僕は資格取得の勉強をしています。でも、資格を取れば安心という安易な考え方をしているのではないか? と自問自答することもあります。

とにかく就職活動に振り回されないこと。内定がゴールではないし、企業もテクニックが完璧な人が欲しを採用したいわけではないと聞きます。きちんと将来にわたって通用する力をつける時間の使い方をしたいです。

一同なるほど!


今回の座談会を通じて見えたのは、環境の変化に対応し、何とか道を切り開こうという真摯な学生の姿勢でした。「努力が報われないのではないか」と不安や違和感を覚えながらも、求められる努力の種類が受験とは違うと気付き始めている様子もうかがえました。

学生は、入社後活躍に向けた努力の構えを見せています。そうした彼らの意欲をさらに引き出すためには、やはり社会からの情報提供がカギではないでしょうか。ただ漠然と「頑張る」ということは誰にも難しいもの。

「こういう人材を採用したい」というメッセージは、企業から既に多く発信されていますが、より一層具体化したり、事例を示したりということが、彼らの成長に貢献するように感じています。

これからもわれわれは、皆さまが「求める人材要件」を具体化していくための、お手伝いをしてまいります。そして、皆さまのより良い採用と若者たちの活躍に貢献することを願っています。

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