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2011/02/22

『ソー活』採用のススメ―新ツール活用による相思相愛コミュニケーション―

岡崎 仁美(おかざき・ひとみ)
1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に携わる。
当初7年間は大阪にて人材採用・育成の営業に従事、中堅・中小企業を中心に延べ約2000社を担当。2000年に首都圏に異動し、転職情報誌『B-ing関東版』の編集企画マネージャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、2007年4月に、『リクナビ』編集長に就任。以後、大学などでの講演も数多く行う。プライベートでは3児の母でもある。

イントロダクション

こんにちは。リクナビ編集長の岡崎仁美です。

今回は、その「相互理解のための深いコミュニケーション」をいかに実現するか、一つのご提案をしたいと思います。

その名も『ソー活』。

ソー活のソーは、「双方向」の「双」であり、「ソーシャルメディア(※1)」の「ソー」です。

昨今の厳しい経済状況の下、企業・学生双方の選び合いが加速する中で、武装してしまいがちなコミュニケーションにブレークスルーをもたらす、新たな兆しです。

※1:インターネットなどの技術を用いて、社会的な相互作用を通じて広がるように設計されたメディアのこと。
      ブログや『twitter』、通販サイト等のカスタマーレビューなどがこれに当たります。

本音は対面より画面に!? デジタル世代の就活生

今年の就職活動生(2012年3月卒)は、1990年前後に生まれた世代。物心ついたときにはインターネットが本格的に普及し始め、子どものころからケータイを利用、ソーシャルメディアにも慣れ親しんでおり、オンラインで自己表現する習慣とスキルを既に身に付けている「デジタルネーティブ世代」といわれています。


■図1 2012年卒学生の育った時代背景(大学卒業者の標準的なケース)

出所:(株)リクルート作成 (2010年)

■図2 職業別ソーシャルメディアの利用動向

出所:(株)サイバー・バズ
「ソーシャルメディアの利用実態」(2010年)



そんな中で採用活動に導入され始めているのが、『twitter』や『facebook』『YouTube』などのオンラインツール。IT業界やコンテンツ業界などは、こうした新ツールのリテラシーが高い人こそ求める人材であるという場合も多く、積極的に活用する動きがあります。しかし、これらオンラインツールの導入で得られる効果は、単にツールリテラシーの高さが判別できるだけではないようです。

では、一体どんな効果が得られるのでしょうか。実際に、2012年卒採用で「オンラインセミナー」を導入している企業の反応を見てみます。

  •   ・ 「チャットでどんどん質問がくるのが新鮮な驚きで、どんどん答えたい気持ちになった。
         本当に楽しかった」
  •   ・ 「説明会を提供する企業側と、参加する学生との一体感を感じることができた」
  •   ・ 「チャットとこちらの応答で質問を深めていけるので、コミュニケーションの質が高い。
         対象学生とじっくり分かり合える」
  •   ・ 「学生の反応がイベント会場では得られないものだったから、参考になりました」
  •   ・ 「ライブで反応を見ながら説明会を学生と一緒に作っていけるところに手応えを感じた」
  •   ・ 「本社が東京だが、北海道やロサンゼルスなど、遠隔地の学生とのコミュニケーションが
         取れてよかった」

一方の学生サイドはどうでしょうか。

  •   ・ 「チャットの方が、普通の説明会より発言しやすかった。人事の方のリアクションも
         すぐ戻ってきてうれしい」
  •   ・ 「学生同士でもコミュニケーションが取れるので、どんな学生が貴社を受けようと
         しているのかも分かるし、就職活動のモチベーションが上がった」
  •   ・ 「会場よりも画面の方が近いので、人事の方の様子から、HPからだけでは分からない、
         社員さんの持つ雰囲気なども伝わった」

このように、採用活動へのオンラインツールの導入は、採用・就職活動の根幹ともいうべき「コミュニケーション」の質を高めることに一役買っている様子がうかがえるのです。



「シューカツ」に出現したコミュニケーション不全

では、なぜ「バーチャル」と表現されることもあるオンラインの場が、「リアル」のセミナーよりもコミュニケーションの質において満足度が高いということが起きているのでしょうか。

それを解き明かすには、就職活動が「シューカツ」と呼ばれるようになって以降の、採用・就職活動での変化を振り返る必要があると思います。

新卒の採用活動は、大きく4つのプロセスに分けることができます(図3)。

  • 【1】母集団形成のためのエントリーを募る
  • 【2】会社セミナーなどの一次接触の機会を設け、企業や仕事の理解を促進する
  • 【3】理解し動機を高めた人材を対象に、選考を行う
  • 【4】採用したいと考えた人材に内定を出す

この活動プロセスは、昔も今も、基本的には変わりません。

ただ、「シューカツ」という言葉が盛んに聞かれるようになった2000年代以降、【1】および【2】の量が急激に増加したのです。それは、採用活動にインターネットが導入されたことと、昨今の景気低迷により学生の将来への不安が極度に高まったことによるものと思われます。

それで何が起きたのでしょうか。

一つは、「相互理解」の場である【2】セミナーに、物理的な制約(開催回数や収容人数)により、ある程度絞り込まねばならなくなったこと。このために、その後の【3】選考への絞り込みを図るための場に、「絞り込んで呼び込む」という矛盾が生じてしまったのです。

これによって、【3】選考以降のプロセスでのコミュニケーションの質の劣化が見られるようになったと考えられます。



■図3 就職活動のコミュニケーションプロセス■図4 コミュニケーションスタイルと展開の場



もう一つは、【2】セミナーの一般化・大型化により、コミュニケーションスタイルの落差が拡大したこと。

現在の採用・就職におけるコミュニケーションは、オンライン×マスメディア型(図4の B)を通じて始まり、人と人との対面・個別の対話(図4 D)で終わります。

問題はその間を埋めるプロセスです。

かつては、学生と企業との一次接触(【2】)は、もっと多様でした。会社説明会のようなものばかりではなく、見学会や座談会などが数多く行われていました。

もちろん現在もそうしたスタイルを貫いている企業も少なくありません。しかし、学生からのエントリーが集まりやすい企業などがある程度の数をさばかねばならない中で、【2】が説明会スタイルに集約され、しかもそれが大型化していきました。

その結果、本来はある程度の個別コミュニケーションが可能であったはずの【2】セミナーの場が、マスメディア化してしまったのです。

学生からすれば、【1】から【2】までは「マスメディア」を「視聴」するモードでいたのに、次のステップ【3】選考で、急に個別に「やりたいこと」など核心に迫る質問を投げ掛けられ戸惑ってしまうことに。

また、企業からすれば、選考に来ているはずの学生が、志望動機を持っていないという、コミュニケーション不全が多く見られるようになったのです。

採用プロセスの見直しで、「相思相愛」のためのブレークスルーを

こうしたコミュニケーション不全の溝を埋めるために、できることが2つあると考えています。

まず1つ目は、冒頭にご紹介したオンラインセミナーに代表されるような「オンライン×個別」型のコミュニケーション(図5 C)です。

最初のwebによる幅広いアプローチ(図5 B)から、最後の対面・直接の対話(図5 D)の間に、この“ワンクッション”を加えることで、一次接触の本来の機能を取り戻すというものです。



■図5 コミュニケーションスタイルと展開の場■図3 就職活動のコミュニケーションプロセス
  



本来、企業を深く理解し、自身の動機を高めるためのプロセスであるはずの【2】一次接触の場(図3)。そこへ集う学生たちは、この場を次の【3】選考に進むためのステップとして意識するあまり、必要以上に武装して臨んでしまう。

皆さんの中にも、学生たちは企業の説明を聞くのが精いっぱいで、深く考えるまでに至っていないのではないかと感じながら、セミナー運営をされた方がいらっしゃるのではないでしょうか。

ところがこのオンラインセミナーでは、企業の発信に対し、即時にしかも感覚的に、たくさんの学生が反応します。そうした他の参加者の反応で、また“感じて”、次の発信が生まれる。まさに双方向かつソーシャルなコミュニケーションがそこにはあるのです。

オンラインセミナーの発言率(※2)が80%を超えているという事実は、通常のセミナーとは全く異なった世界が繰り広げられていることの一つの証拠といえるかもしれません。

※2:全参加者に占める、発言をした人の割合。弊社『R-Webinar』実績の平均値

もちろん、オンラインセミナーが特効薬だなどと申し上げたいのではありません。強調したいのは、ここに採用成功のヒントが隠されているという点です。

採用成功とは、将来活躍するであろう人材を獲得すること。であれば、やはり動機の高い人と出会いたいというのが企業の皆さんの願いでしょう。

しかしそうした「相思相愛」は、突如発生するのではなく、相互理解によって醸成されていくもの。まさにコミュニケーションの質をいかに高めるかが、採用成功のカギとなるのではないでしょうか。

そのための工夫として2つ目の取り組み、例えば学生と語り合える場をつくることを提案します。それはオンラインでもオフラインでもよくて、大事なのは「双方向」に会話が交わせることです。

こうした視点で、今運営されているエントリーシートを見直してみるというのも一つの方法だと思います。エントリーシートもセミナー同様、今の学生には形式的にとらえられがちです。しかし元来は相互理解のためのコミュニケーションツールでもありました。

このように、各採用プロセスを「双方向性」を意識した形で設計し直せば、コミュニケーションにブレークスルーがもたらされる可能性が十分にあると考えられます。

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